2016年6月23日(木)~26日(日)、東京・渋谷ヒカリエにて「東京カメラ部2016写真展」が開催されました。開催期間中のイベントステージでは、人気フォトグラファー、写真業界関係者、歴代東京カメラ部10選などをお招きして、さまざまなテーマでトークショーが行われました。
6月25日(土)に行われた富士フイルムのトークショーでは、東京カメラ部10選 浅岡省一さんにご出演いただき、富士フイルムXシリーズの魅力についてお話しいただきました。
「私は普段、X-T1とX-Pro2を使って作品撮りをしています。そのときのお話に触れながら、Xシリーズの魅力をお話ししていきたいと思います。実は魅力を書き出していったら108つもあったんですが、本日は絞って『Xを使い続ける7つの理由』というテーマでお話ししていきたいと思います」
「まず一つ目の魅力は『軽くて小さい』ということ。カメラがコンパクトで軽量であれば、その分多くの機材を運ぶことができます。ハードなロケの場合は、荷物が軽いと体力を温存できますよね。そうすると長い時間ロケができますし、余裕ができて撮影のアイディアが浮かぶこともあるんです」
「Xシリーズを入れているカバンがこちらですが、ボディとたくさんのレンズが詰め込まれています。基本は一人での撮影が多いので、機材がコンパクトなのは非常に強い武器となります」
「二つ目の魅力は『低ノイズ・解像感』。ISO感度を上げてもノイズが気にならず、細かい部分の描写がきれいです」
「夜間の撮影では、ストロボを使って人物を明るくしても、背景はISO感度を上げて明るくするしかない。でも、モデルさんに私の熱気を伝えていい表情を引き出したいので、手持ちで撮りたいんですね。そういう場合シャッタースピードを稼ぐために、Xのような高感度に強いカメラが有利になります」
「ちなみに、X-T1は1630万画素で、X-Pro2は2430万画素。X-Pro2は最新のセンサーを搭載しているんです。こちらはX-Pro2で撮影した写真なのですが、画素数が増えているので、拡大してみると人の後ろに点々が見えるでしょうか? 実は、これは小さい虫が飛んでいるところなんです。ここまで写るほど解像感が高いということです」
「X-T1とX-Pro2はレンズ交換式カメラですが、レンズ一体型のX100Tなども、同じAPS-Cセンサーを搭載しています。プロの方でも充分に作品が撮れるカメラで、よく一緒に撮影に出かけるプロの方も愛用しているそうです」
「三つ目の魅力は『レンズ』。Xシリーズには開放からキレのあるレンズが揃っていて、ラインアップが充実しています。私は夜間の撮影が好きで、高感度で撮影する機会も沢山あるので、やはり開放での撮影が多くなります。なので、開放から安心して使えるレンズはとても助かります」
「XF10-24mmF4 R OISは広角ズームで、テレ端では標準レンズとしても使える画角です。ダイナミックな風景が撮れるような場所に巡り会うと、もうわくわくしてしまって撮らずにはいられなくなります」
「XF23mmF1.4 Rは、換算35mm相当です。実はこの画角は少し苦手意識がありましたが、今年から使うようにしているレンズです。苦手なものを克服しようと、ワークショップで言ってしまった手前…(笑)」
「XF56mmF1.2 Rは、開放でもピント面はシャープです。そして中望遠ですから、玉ボケを活かした写真にも向きますね。かなり暗いシーンでしたが、AFは精度がかなり高いです」
「同じくXF56mmF1.2 Rの写真。AFモードを『ゾーン』にして、フォーカスを合わせすぎないような写真を撮るのもおもしろいと思います」
「XF90mmF2 R LM WRは望遠レンズ特有の圧縮効果が高まります。被写界深度も浅くなるので、まるで歩道がアイススケート場のようになっていると思います。ポートレートをうまく撮れないという方もいると思いますが、背景も写して情感を出したり、構図を工夫したり、ボケをうまくつかっていくと、良いポートレートになると思います。特にこのレンズは画面周辺まで非常に綺麗な玉ボケが出せるのが特長です。」
「四つ目の魅力は『色』。Xシリーズで撮った写真は、JPEG撮って出しでもコクのある深い色が出るんです」
「単純に彩度を高くしたのではなくて、淡い色も上手く出してくれると感じますね。ただ、少しコツがあって、淡い写真の場合は『WBシフト』の設定をいじり、色味を少し変えてあげるんです。そうすると、色を感じられない写真にもほのかに色を付け足すことができます」
「五つ目の魅力は『ボディデザイン』。Xシリーズのクラシカルな佇まいは、個人的に女性に人気なんじゃないかと思っています。3人に聞いたら全員好きだといいました(笑)。Xシリーズを使えば、女性にモテるかもしれません」
「別売のグリップを使えば、それぞれの手に合わせてグリップの調整ができるのも魅力です。私は『MHG-XT』というものを付けています。」
「六つ目の魅力は『チルト式液晶』。液晶が動くのは私にとってはすごく重要で、ローアングル、ハイアングル、ウエストレベルなど色々な撮影が可能になります。これはX-T1のみの機能です」
「ローアングルで撮る際は、チルト式液晶がついていないと地面に寝転がらないといけなくなるので、洋服が汚れてしまいますよね。雨あがりだと最悪です(笑)」
「また、チルト式液晶を使用してウエストレベルで撮ると、周囲に撮っていることが気付かれにくいので場の雰囲気も上手く写し込めますし、モデルをリラックスさせることができます」
「ちなみに、X-T1とX-Pro2は防塵防滴構造です。この写真を撮ったときも、こんなに濡れてしまいましたが、まったく動作には問題ありませんでした」
「七つ目の魅力は『手厚いファームアップサポート』。普通であれば違うカメラになってもおかしくないくらいの機能が、ファームアップをすることで手に入ります。カメラがなかなか旧型機にならないので、長く使うことができる。ユーザーを手厚くサポートして、カメラを長く使ってもらおうという気持ちが伝わります」
「これまでXシリーズの魅力をお伝えしてきましたが、最後にお伝えしたいことがあります。カメラは写真を撮るための道具です。自分の利用目的に合致したものであることが好ましいのではないでしょうか。自分に合うカメラを見つければ、より良い作品を撮ることができると思うのです。ぜひXシリーズを使い、東京カメラ部10選を目指してください」
浅岡さんの個展が、富士フォトギャラリー銀座にて9月30日(金)から開催されます。
FUJIFILM X-T1、X-Pro2、そして9月発売予定の新製品X-T2で撮影された作品が、高画質写真プリントで展示されます。
ぜひご来場ください。
日時:2016年9月30日(金)~10月6日(木) 平日10:30~19:00(最終日14:00まで) 土日11:00~17:00
会場:富士フォトギャラリー銀座(http://www.prolab-create.jp/gallery/)