2016年6月23日（木）～26日（日）、東京・渋谷ヒカリエにて「東京カメラ部2016写真展」が開催されました。開催期間中のイベントステージでは、人気フォトグラファー、写真業界関係者、歴代東京カメラ部10選などをお招きして、さまざまなテーマでトークショーが行われました。
6月25日（土）に行われたキヤノンマーケティングジャパンのトークショーでは、東京カメラ部10選 柄木孝志氏、工藤悦子氏、八木千賀子氏にご出演いただき、EOS 80Dパンフレットチャレンジ企画で撮影された作品についてお話しいただきました。
» EOS 80D × 東京カメラ部 パンフレッットチャレンジについてはこちらから
http://cweb.canon.jp/eos/special/80d/contest.html
司会「この企画は『東京カメラ部2016写真展 in Hikarie』の会場で配布するEOS 80Dのパンフレット制作に、東京カメラ部10選の皆さんが挑戦するというものです。10選の中から7名がチャレンジしており、パンフレットに適した24作品がまず選ばれ、東京カメラ部や東京カメラ部分室で紹介されました。更にそこから作品の『いいね！』数によって選定されるというとてもエキサイティングなものでした。3名にたっぷりと撮影裏話を語っていただきたいと思います。 まずは、八木さん。今回の企画の話を聞いてどんな写真を撮ろうと思いましたか？」
八木「EOS 80Dで風景を撮りたいと思ったので、早速八丈島に行きました。こちらは八丈島で撮影した猫の写真です。縁の下に猫が何匹もいて、たまに顔を覗かせてくれました。皆さん素敵な作品ばかりで、この作品はどちらかというとほんわかした写真とういこともあり、表紙の候補に選んでいただけてびっくりしました。」
司会「何気ない写真の中に、伝統的な古い家屋の柱がずれているのも味になっていますね。続いてのお写真はこちらです」
八木「前日の夜に雨が降って、朝露がついている葉っぱをマクロレンズ（EF-S60mm F2.8 マクロ USM）で撮りました。撮影するときは三脚の一番低い位置でローアングルにして、バリアングル機能とライブビューで構図を作りました」
八木「続いては、精進湖から撮影した富士山の写真です。太陽が山の向こうに沈んでいるので、オレンジ色の雲がわずかに残っている状況ですね。月もしっかり写したいと思い、手ブレを防ぐため、セルフタイマー2秒とバルブタイマーを使って17分ほど開けて撮影しました」
司会「すごく幻想的な写真です。実はトリミングしようと思っていたとお聞きしましたが？」
八木「そうなんです。今回トリミングはNGというお話を伺う前に撮っていたので、左右に写ったライトをカットしようと思いながら撮っていたんです」
司会「今回のパンフレットチャレンジでは、トリミングがNGだったのですね。この条件はやはり厳しかったですか？」
八木「厳しいと感じましたが、原点に戻れたというか、撮るときに確実にこの一枚でいくぞ、という意思ができていい機会になりました」
司会「そうすると、100％の視野率のファインダーを搭載しているEOS 80Dは強い味方ですね」
八木「これがなければ厳しかったですね」
司会「続いて、こちらのお写真は？」
八木「山梨県身延町にある久遠寺です。幻想的な表現で仕上げたいと思い、多重露出を使って2枚を重ねています。1枚目はピントを合わせて撮影して、2枚目はアウトフォーカスにして撮影しました。フィルターを使ってると思う方もいらっしゃると思いますが、カメラの機能を使っています」
司会「桜の写真で個性を出すのは大変ですが、カメラに搭載されている多重露出やクリエイティブフィルターを使うと表現の幅が広がりそうですね。八木さん、ありがとうございました」
司会「続きまして、工藤さんにお話をお伺いしたいと思います。今回の企画を聞いてどんな写真を撮ろうと思いましたか？」
工藤「気軽に楽しめるような一枚を撮って、写真の楽しさを伝えられたらいいなと思いました。こちらの写真は実はセルフポートレートです。会社の屋上で撮りました（笑）」
司会「すごく素敵な一枚です。髪の毛の描写がすごいですね！」
工藤「シルエットの髪の毛がどれだけ描写されるのかが気になって、日が落ちる直前を狙ったのですが、高速シャッターのおかげで面白い瞬間を撮れました。拡大するとわかるのですが、髪の毛1本1本がとてもきれいに見えるということを感じた一枚でした」
司会「こちらは桜の作品ですね」
工藤「福島県のしだれ桜をEOS 80Dで撮ろうと思い周辺を歩いていたときに、民家の近くの立派な桜を見つけて撮りました。構図というよりも色が凄くきれいだと感じたので、調整は何もしていません。見たままの色が表現できるカメラだなと思いました」
司会「夕方の光ですよね。すごく素敵で絵画のようですね。名所じゃなくてもふと目に止まったところで、こういった素敵な作品が気軽に撮れるんだと感じました」
工藤「こちらの写真は、秋田県にある私のお気に入りの場所です。秋になると水の中に木が生えている景色は見れなくなってしまうので、今のうちにぜひEOS 80Dで撮りたいと思ったんです。もともとブルーが強い場所なんですが、ホワイトバランスを白色蛍光灯にして更に少し強めにしています。鮮やかに仕上げることができたと思います」
司会「続いて。こちらの写真は今回の表紙になっていますが、どうやって撮られたんですか？」
工藤「宮城県の一目千本桜という8kmくらい桜が並ぶ名所があるのですが、普通の風景写真を撮るよりは、こういうのもいいかなと思ったんです。風が強い日だったので、散ってしまった桜を拾って友達に投げてもらった瞬間を撮りました」
司会「EOS 80Dでは、このお写真のように一瞬の空気感まで表現できる気がしますね。工藤さん、ありがとうございました」
司会「続きまして柄木さん、今回の企画をどう思われましたか？」
柄木「メンバーの顔ぶれがすごいので緊張しましたが、自分の写真で、自分がずっと使っているキヤノン製品のPRをできるのはすごいことだと思いました。私は鳥取県で暮らし、地域振興の仕事をしているんです。ですから、この企画を通じて山陰の風景や鳥取の風景を知っていただくのも嬉しい機会だと思いました」
「こちらの写真は鳥取からは少し離れますが、EOS 80Dは非常に解像度が優れているので、ロケーションを表現するにはぴったりのカメラだと思ったんです。隠岐諸島の西ノ島に摩天崖という断崖絶壁があるのですが、1日中そこで撮影しました。この島では牛や馬が自由に放牧されているのですが、一頭だけ馬が小さく写っているのがわかるでしょうか。これの描写力にはびっくりしました」
司会「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMのキットレンズはどうでしたか？」
柄木「引きも寄りも対応してくれますし、望遠側で撮ってもブレることなく、解像感もすごかったです。1本で何でも撮れるレンズでした」
司会「続いては、素敵な馬のシルエットの写真ですね」
柄木「これも摩天崖で撮影しました。夕日が沈むのを待っていたのですが、馬が自分の寝ぐらに帰り始めていた頃でした。その時、一頭の馬がもう一頭来るのをじっと待っていたんです。近寄ってくる様子を慌てて撮ったのですが、それでも綺麗にピントが合って瞬間を切り取ってくれたので、このカメラに感謝でした」
司会「柄木さんは普段、EOS 5D Mark IIIと EOS-1D Xを使われているということですが、EOS 80Dはどうでしたか？」
柄木「ライブビューでのAFが速かったり、バリアングル液晶が搭載されていたりと、使い勝手がよかったです。ミドルクラスの機種にしては軽いので、女性でも簡単に持ち運びができるんじゃないかと思いました」
司会「気軽に使えてこれだけ撮れるということに感動しますよね。続いての作品はこちらです」
柄木「フルアーチ、しかもダブルの虹です。砂丘を10年以上撮っていますが、こんな写真が撮れたのは初めてでした。右下に人が3人写っていますが、ここからも虹のスケール感と砂丘の規模がわかっていただけるかと思います」
司会「柄木さん、ありがとうございました」
司会「皆さん、今回パンフレットの作成を体験して、難しかった点や気を使った点はありますか？」
柄木「トリミングはNGでしたし、ほとんど撮って出しという状態だったので、表現が難しかったです。でも原点に立ち返ってイメージをきちんと固めてからその瞬間を大切に切り取るという、一枚をすごく大事にする機会を設けてもらったので、いいきっかけをいただいたなという気持ちです」
司会「最後に、EOS 80Dをどんな方に使って欲しいと感じたか、皆さんにお聞きしたいと思います」
八木「女性の手にちょうど馴染む形ですし、軽量で使いやすいので、スマートフォンや入門カメラからワンランク上げたいという方におすすめです。色々な機能がついているのでこれ一台ですごく楽しめますね」
工藤「Wi-Fiが搭載されていてスマホと連動することができるので、撮ってすぐハイレベルな写真をinstagramなどにポストできるのも魅力ですね。あとはやはり、軽いのは嬉しいです」
柄木「EOS 80Dのキットレンズにもなっている、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMを使えば幅広い使い方ができると思うんです。初心者から上級者である程度マニュアルで撮影したいという人でも活用できる、長い間使える万能なカメラだと思います」
司会「皆さんもぜひEOS 80Dを手に取ってみてください。八木さん、工藤さん、柄木さん、ありがとうございました！」
