「SNSで公式アカウントやファンコミュニティを立ち上げたけれど、最初は盛り上がっても徐々に参加者が減ってしまう」 多くの企業のマーケティング担当者様やSNS運用者様が直面する課題ではないでしょうか。
顧客との繋がりを深めロイヤルティ向上やLTV向上を狙う施策として、近年ファンコミュニティの重要性が高まっていますが、いかに活性化させ、維持していくかは非常に重要なテーマです。
私たち東京カメラ部では、様々な写真ジャンルのSNSアカウントを運営していますが、その中の一つに、料理写真が好きな方々が集まる「おいしい写真教室」(Instagram:@yummyphotograph フォロワー 約3.8万人*)があります。

「日々の料理と、それを写真に撮って同じ趣味の仲間同士でシェアし合う時間そのものを今よりもっと楽しんでもらいたい」という思いから、このアカウントの中である活動をスタートしました。それが「おうちごはん部」です。
発足から約1年半、メンバーのみなさまと共に大切に育ててきたこの部活動ですが、これまでの運用の経過を振り返ってみたところ、コミュニティの熱量を裏付ける傾向が見えてきました。
今回は、「おうちごはん部」の出発点と歩みを振り返りながら、参加者のモチベーションを長期的に維持し、SNSコミュニティを活性化させるためのヒントを紐解きます。

出発点は「みんなで料理と写真を楽しめる居心地の良い場所」
東京カメラ部が運営するInstagramアカウント「おいしい写真教室 」では、ユーザー様が投稿した素敵な料理写真を公式アカウントでリポスト(紹介)させていただくUGCコミュニティです。
普段から「#私のおいしい写真」を付けて投稿してくださる多くの方々に、もっとこの場所を自分のホームのように楽しんでもらおうと結成したのが「おうちごはん部」です。
部員のみなさんには、リポストOKの目印として「#私のおいしい写真 + #おうちごはん部員」の2つのハッシュタグを付けていただき、私たちは以下のようなエンゲージメントを高める取り組みを継続してきました。
- 定期的なテーマミッション(投稿キャンペーン):「わたしの得意料理」など、お題(テーマ)に沿ったお料理写真を募集するキャンペーンを定期的に開催し、抽選で10名様にAmazonギフト券をプレゼント。
- 部員のみなさんの日常投稿を優先リポスト:週に2回、部員投稿の紹介枠を設置。みなさんがハッシュタグを付けて投稿してくれた日々のごはん写真を優先的にピックアップしてご紹介。その際は、アカウント運営事務局から感想コメントを付与
おうちごはん部への参加方法は、東京カメラ部公式LINEへの登録のみ。
何よりもまず「参加してくれる方々に楽しんでもらうこと」をメインの出発点として始まったのが、このおうちごはん部でした。
部活動の状況
部員募集の方法は、おもに部員の投稿作品をリポストする際とキャンペーン開催時の呼びかけの2つです。ユーザー様としっかり関係性を築きながら活動を育てていくため、自ら参加したいと思ってくださる方からの任意参加を大切にしています。そのため部活発足時を除き広告などの大規模な告知は行っていません。
にもかかわらず、2026年6月時点で【約470名】が部員登録してくださいました。(うち、約360名の方が #ハッシュタグ投稿をしてくださっています)
「#おうちごはん部員」の投稿枚数:
累計の写真投稿枚数は約31,000枚に上ります。一度でも#ハッシュタグ投稿をしてくださった部員ひとりあたりおよそ86枚投稿してくださっている計算になります。

投稿キャンペーンの開催実績:
2024年11月から2026年6月まで、合計19回開催しています。「夏を乗り切るアイデア料理」「秋を感じる晩御飯」などの季節軸や、「スイーツ」「パンが主役」「スープ」などの料理ジャンル軸、「ちょい足し」「時短」「ワンプレート」「レトルト」「作り置き」など実用性のあるテーマまで幅広く実施しています。
告知には、各回のテーマの投稿例を載せることで参加イメージが湧くよう工夫。「ユーザー様と創り上げる・盛り上げる」ことを重視しているため、各写真はアカウントに参加しているユーザー様の作品から許可をいただいて掲載しています。

キャンペーン投稿はこちらからご確認できます→ #簡単作り置き #春を感じる食卓 #野菜たっぷりごはん
1年半の経過を振り返って判明した、コミュニティの高いアクティブ率
2024年11月の発足からおよそ1年半の、部員のみなさんの参加状況や行動データを振り返ってみたところ、メンバーのみなさんの高い熱量を示す嬉しい変化が見えてきました。
【データから見えてきた、おうちごはん部のアクティブな傾向】
約6割という高いキャンペーンリピート率:
一度テーマミッションに参加した部員のうち、約6割がリピート参加してくれている
入部からの時間経過に左右されない熱量:
2回以上キャンペーンへの参加経験がある部員は、入部から時間が経ってからも参加してくれている

こちらは、リピート参加している部員を対象に、部員になったタイミングをキャンペーン開催時期で「初期」「中期」「後期」の3つに区切り、各タイミングで新入部した部員が、入部後に参加機会のあったキャンペーンの中でどれほど最新の回まで参加したかをグラフ化したものです。
※初期=(キャンペーン第1回~第3回の2024/11~2025/2の時期に入部)
※中期=(キャンペーン第4回~第8回の2025/2~2025/7の時期に入部)
※後期=(キャンペーン第9回~第17回の2025/7~2026/5の時期に入部)
いずれの期も、継続部員の大半が参加可能期間の後半(70〜80%地点)の回まで参加してくれています。前半25%以内で離脱した部員はごく少数(各期0〜2人)です。
一般的にコミュニティは、開設から時間が経つにつれ参加ユーザーのモチベーションが下がることが課題のひとつでもありますが、おうちごはん部員に関しては、2回以上参加する継続層に入った部員は比較的、入部時期を問わずその後も長く参加を続けてくれる方が多いといえます。
当選体験による次への動機付け:
キャンペーンでの当選経験がある部員は、初当選をきっかけに、その後のリピート率が上がる

当選経験者125人のうち当選前後の比較が可能な部員62名について、初当選前後でのそれぞれのキャンペーン参加率(「参加した回数 ÷ 参加機会があった回数」を算出し、Wilcoxon符号順位検定によって、参加率に差があるか比較したものです。(p=0.006)
参加率は当選経験前の11.7%から初当選後は21.8%へ、約1.9倍増加していることが分かりました。
一般的にインセンティブがモチベーションになることは想像がつきやすいと思いますが、
Amzonギフト券の汎用性や手軽さもあいまって「一度ゲットできたら良いや」ではなく「投稿のコストを払っても再参加したい」と思える”ちょうど良い成功体験”となっていることが伺えます。
さらに部員投稿の紹介枠でのリポスト経験有無とキャンペーン参加率にも、相関がありました。もともと熱心な部員ほど投稿頻度が高くリポスト対象になりやすいという可能性もありますが、キャンペーンの場合は料理の指定があり、参加に一定のハードルを伴うため、普段の気軽な投稿だけでなく多少ハードルのある活動にも意欲を発揮してくれる、と言えそうです。
考察:写真や料理という「高いハードル」を越えて熱量が維持される理由
おうちごはん部の投稿キャンペーンは、ただスマホのフォルダにある写真を投稿するだけのキャンペーンとは異なります。
お題を意識して(覚えておいて)、メニューを実際に用意して、キレイに撮影して応募するという、料理を用意する手間のハードルを越えなければ参加できないものです。
それにもかかわらず、入部からの時間の経過に左右されず、高い熱量を持ったまま活動を楽しみ続けてくれている部員がいます。この背景には、居心地の良いコミュニティであり続けるための「2つのポイント」があると考えています。
①「当選」「公式からの紹介」という小さな賞賛の積み重ね
データにある通り当選経験がある方ほど、その後のアクティブ率が向上しています。コミュニティ内で自分の写真作品や料理が認められるという「小さな賞賛」を受け取る体験が、次の「また作ってシェアしよう」というモチベーションに繋がっていることを示しています。一度の体験の満足で終わらせない賞賛の大きさもポイントだと考えられます。
② 毎度お題(テーマ)を変える、マンネリ防止の設計
推測ではありますが、「時短」「レトルト」「鍋」「作り置き」「パンが主役」などお題が幅広いこともマンネリ防止に寄与していると考えられます。
参加者の方々に「次は何を作ろうかな、どう撮ろうかな?」と新鮮なワクワク感を提供できるうえ、参加者にとって得意なジャンルが回ってきたときに気軽に参加できる構造になっていることで、コミュニティ全体を飽きさせない持続的なエンゲージメントに繋がっていると考えられます。
またキャンペーンの開催期間は1ヶ月程度と長めに取り、料理を用意する時間をしっかり確保していることも、参加しやすさの理由のひとつにあると思います。
おうちごはん部は、ただ撮影するだけでなく「写真をフックに同じ趣味を持つ仲間同士でシェアし合う空間」そのものを楽しめる部活動として機能しており、今後も料理写真好きの皆様にとってより心地よい場所となるよう、こうしたエンゲージメント施策をさらにブラッシュアップしていく予定です。
ファンと共に価値を創る「UGCマーケティング」の可能性
今回の検証を通じて見えてきたのは、これからの時代に求められるUGC(ユーザー生成コンテンツ)マーケティングの姿です。
一方的な企業の宣伝ではなく、そのライフスタイルジャンルを心から愛し、自発的にクオリティの高い日常写真を投稿し合える強固なコミュニティ。
これこそが、私たち東京カメラ部が長年のコミュニティ運営の中で蓄積してきたノウハウであり、最大の強みでもあります。
おうちごはん部に集まっている部員のみなさんは、日常的に食卓を彩り、撮影を楽しむモチベーションがあり、発信力のある方々です。
そのため、たとえば食品メーカー様や消費財メーカー様などの新商品を使った「商品モニター」や「タイアップ投稿キャンペーン」といったコラボレーションをすることで、企業のブランドイメージにフィットした上質なUGCを自然な形で創出するプロモーションへも展開が可能です。
タイアップコラボの例
実際にいくつかの企業様と、コラボ投稿企画を行ってUGCを創出したり、アンバサダーを募集し、投稿いただいた作品を企業公式の媒体でご活用いただくといった事例にも繋がってます。

タイアップ投稿はこちらからご確認できます→ フジパン様「フジパン本仕込PR部」 合同酒精様「鍛高譚」モニター
また、東京カメラ部が運営している「趣味×写真」軸のコミュニティは「料理(食)」だけにとどまりません。
- 空 / 夜景
- 飛行機 / 鉄道
- 猫・犬(ペット)
- キャンプ(アウトドア・ライフスタイル)
など、写真表現と親和性の高いあらゆるジャンルにおいて、「写真をフックに同じ趣味を持つ仲間同士でシェアし合う空間」があり、このネットワークを活かしたアプローチが可能です。
東京カメラ部が自主運営するSNSアカウント例

▼自主運営メディア一覧
https://tokyocameraclub.com/corporate/media_onpremise.php
「自社プロダクトのファンコミュニティを活性化させたい」「製品の魅力を自然に伝える良質なUGCや口コミを増やしたい」という企業マーケター様、事業会社様、代理店様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にブレスト段階からお声がけください。
【FAQ】コミュニティマーケティングに関するよくある質問
Q. コミュニティを立ち上げても、ユーザーが発信を続けてくれるか不安です。
A. ユーザーのモチベーション維持には「自発的な参加動機づけ」、「リポスト等の小さな賞賛の積み重ね」と「ユーザーの興味や趣味に沿った無理のない企画」「マンネリ化させないテーマ設計」が影響しています。これらを組み合わせることで、参加すること自体がユーザーにとっての「自己表現の楽しい場」になると考えます。
東京カメラ部は、10年以上運営を維持している日本最大級の写真好きコミュニティであるため、過去の経験などから企画のアドバイスも承ります。ぜひご相談ください。
▼写真ファンが一堂に会する東京カメラ部最大の写真イベント
【東京カメラ部写真展】2025年開催レポート
https://tokyocameraclub.com/corporate/exhibition2025/
Q. 料理以外のジャンルでも、同じように熱量の高いユーザーは集まりますか?
A. はい。カメラ部コミュニティ運営の強みは、写真というビジュアルを介することで、言葉の壁を越えて特定の「趣味軸(ペット、キャンプ、鉄道など)」に特化した深い興味層へ直接アプローチできる点にあります。各ジャンルに応じたエンゲージメント設計をご提案します。
▼ファンコミュニティの開設・育成支援や、UGC創出に関するお問い合わせはこちら
https://tokyocameraclub.com/corporate/contact/
*2026年6月時点

