開催日 : 2021年10月7日
協力 : 関東観光広域DMO
東京カメラ部では、多くの企業や官公庁のご担当者さまからInstagramの運営方法についてご相談いただきます。フォロワーの獲得方法やユーザー作品の収集方法、発信力のある作品の選定方法などご相談内容はさまざまですが、最近はコロナ収束後の旅行需要の回復を見据えた海外向け情報発信のご相談が増えてまいりました。
今回は、2020年度から主に欧米豪の旅行者を対象とした情報発信事業に取り組まれている一般社団法人 関東観光広域連携事業推進協議会 事務局長 服部さまをお招きし、運営をサポートしている東京カメラ部が聞き手となりまして、関東観光広域DMOにおけるSNS運営とフォトコンテストについてポイントや考察をお話しいただきました。
詳細な対談の様子は以下のとおりです。皆さまの参考になれば幸いです。
登壇者
一般社団法人 関東観光広域連携事業推進協議会
事務局長
服部卓郎氏
- 1991年 リクルート入社。
- HR領域の中小企業・大手企業・ベンチャー企業への企画営業を経て、
- じゃらんリサーチセンター(JRC)へ異動。
- 東北や関東甲信越のエリアプロデューサーとして15年間、地域活性化に関わる。
- 2019年4月より関東広域DMO(関東観光広域連携事業推進協議会)に出向。
現職
聞き手:東京カメラ部株式会社
企画営業部 清藤史織
出演者紹介
まず、聞き手の東京カメラ部株式会社の清藤から自己紹介いたします。
大学卒業後、企業向けHR支援企業にて、クライアント企業の採用企画や組織・人材開発コンサルティング業務に従事した後、東京カメラ部株式会社に入社しました。
現在は、省庁・自治体・広域/地域連携DMO向けのSNSや写真を活用した誘客プロモーション、SNSを用いた企業の商品プロモーション、ブランディング施策に携わっています。
本日はどうぞよろしくお願いします。
服部さま、自己紹介をお願いします。
服部氏:私は1991年にリクルートに入社し、社内で最も大きな事業である人材採用の領域の仕事に従事した後、旅行領域のじゃらんの部門に異動しました。じゃらんリサーチセンターという組織の立ち上げから約15年ほど旅行事業に携わっております。
エリアプロデューサーという肩書で、特に東北や関東甲信越を中心にじゃらんなどリクルートの経営資源をうまく活用して地域を元気にするような仕事を推進しています。
2019年4月から関東観光広域DMOの事務局長を務め、現在3年目となります。
本日は、少しでも皆さまの参考になる話ができればと思っております。
東京カメラ部株式会社のご紹介
今回の施策のお話をする前に、東京カメラ部をご存じない方に向けて、まず簡単に東京カメラ部株式会社をご紹介します。弊社が運営する「東京カメラ部」は日本最大級の写真好きが集まるコミュニティ、審査制の写真投稿サイトです。
主な特徴は、以下のとおりです。
- 世界中の写真愛好家の方から、毎日約4万作品をご投稿いただいている「東京カメラ部」アカウント。その中から素晴らしい作品を選び、毎日7作品を東京カメラ部のSNSアカウントでご紹介、昨年は延べ11億人の方が閲覧
- この運営ノウハウを活かし、日本政府観光局様、環境省様、浜松市様など地方自治体様、大手企業様の世界に向けた情報発信を支援。また、Twitter Japan様などSNSプラットフォーマー様からの仕事も受託
- 投稿写真は、日経ナショナル ジオグラフィック社様から写真集が発売されるほど、レベルの高い作品
- 幅広い業界でのフォトコンテストの実績多数。一括(企画、募集告知、運営事務局、審査/選定、賞品発送)で受託したフォトコンテストは160件超
関東観光広域連携事業推進協議会のご紹介
関東観光広域連携事業推進協議会のご紹介をお願いいたします。
服部氏:関東観光広域連携事業推進協議会(=関東観光広域DMO)は、関東の観光を広域に連携し推進する協議会です。
東京1都と10県の自治体が連合した組織で、観光庁からDMOとして認定された、北海道から沖縄まで全国にあるDMOの一つです。
2018年設立、成田・羽田両空港から入国する外国人旅行者にTOKYOをTrip Hubとして、来日してすぐ日本文化を満喫できるショートトリップ圏 “TOKYO & AROUND TOKYO” と定義し、関東広域圏を周遊してもらうための情報発信や観光資源発掘・ツアー造成などを各地域と連携しながら行っています。
昨年度事業の概要・成果(1都4県)
1) SNS発信事業
昨年2020年度は1都4県(東京都と福島県・千葉県・埼玉県・神奈川県)にご参加いただきまして、1)SNS発信事業と2)フォトコンテストを実施しました。
昨年度の6ヶ月間運用でInstagramは2.7万人、Facebookは6.1万人のフォロワー・ファンを獲得しました。
Instagramは「#tokyoandaroundtokyo」のハッシュタグで一般の方に投稿を呼び掛け、約1.3万件のハッシュタグ投稿がございまして、この投稿いただいた作品をSNSアカウントでご紹介していく形で運用しました。
アメリカ、イギリス、オーストラリアをターゲット設定し、フォロワー獲得を推進してまいりました。結果、狙い通りのエリアの方々を獲得、フォロワーの「数」だけでなく、「中身」を伴うことができました。
なお、運営を外部委託なさっていて、ターゲットエリアではないにもかかわらずインド、ベトナム、フィリピンなどのエリアのフォロワー割合が高い場合は、外部委託先に状況を確認されることをおすすめします。このエリアのフォロワーは、獲得単価が低い(安い)ため、悪質な運営会社の場合はKPI(ファン数目標がある場合)達成のために、帳尻合わせに使われることがありますのでご注意ください。また、エンゲージメントの観点からも、反応率が低くなります。
SNS投稿内容に関しては、2020年コロナ禍での発信になりましたが、フォロワーの皆さまから「行きたい」「行ったことある・おすすめ」など旅行意欲を感じられる前向きなコメントを多数いただきました。
例えば、「箱根彫刻の森美術館」を紹介した投稿には、「やりたいことリストに追加しなきゃ」、「行ったことある!近くに素敵な温泉旅館がある」、「2020年の1月に行った。美しい展示でとても素晴らしい美術館。雪の中で楽しむ足湯も最高」など、ご覧になった方の旅行意欲を高めるようなコメントをいくつもいただきました。
2) フォトコンテスト
“東京都とその近郊(福島、埼玉、千葉、神奈川)の海外の人に知ってほしい魅力” をテーマに、既存のハッシュタグ「#tokyoandaroundtokyo」にフォトコンテスト用ハッシュタグ「#tokyoandaroundtokyoフォトコンテスト2020」と、撮影場所、都道府県名をつけて募集した2020年度のフォトコンテストは、3,724枚と多くの作品をご応募をいただきました。
広域DMOで発信する理由
なぜ広域で発信するのか、について話をしてまいりたいと存じます。
今回の事業は「インバウンド向けの発信」であると先ほど服部さまからご説明いただきました。インバウンド向けだからこそ、より地域連携が重要だと私どもも考えております。
皆さまご存知のとおり、成田空港・羽田空港からの入国が多い欧米豪の旅行客は、約7割以上が7日間以上滞在するというデータがあります。東京を拠点として長期間の滞在をどう過ごすのか、というアイデアを行政区域にこだわらずに発信していくことが重要です。
旅行先を調べる時に、この県に行きたいと県を指定して旅行先を選定される方はあまりいらっしゃらず、日本の文化体験がしたいとか寺社仏閣に行きたいとか、もしくはシンプルにこの写真の場所に行きたい、ここはどこだ、行ってみよう、というような「興味関心の軸」で旅行先を選定し計画を立てていきます。
よって、より幅広い体験ができる広域で発信されることは効率的だと言えます。服部さん、広域DMOで発信されている背景などをお聞かせください。
服部氏:本事業の検討当初、Tokyo2020オリンピックを契機とした事業を考えましょう、ということがベースにありました。このセミナーをお聞きになられている方の中には「なぜ1都4県だったのだろう」「なぜ福島県も入ったのだろう」と疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
まず、オリンピックの競技会場がある首都圏エリアの方々が一致団結してくれたということが、1都4県になった理由です。
どの国の旅行者がオリンピックを契機に来日する可能性が高いかというと、その国の獲得メダルの数と関係していると日本政府観光局さんから教えてもらっていたので、多数の国を対象にバラバラではなく、(中国も獲得メダル数は多いのですが)欧米豪に絞ったのはまた一つの特徴だったと思います。
清藤さんからご質問のあった「広域連携する意味」について、再び旅行ができる世界になった時には来てほしい、こんな素晴らしいところがありますよ、ということを一つの自治体が継続して発信し続けるということは非常に難しいと思いますし、地域で連携して発信することは、広告効果も非常に高くメリットがあると考えています。
予算の活用の点では、各自治体の負担金は単体で実施するよりも安く、また、11の都県と今回JR東日本さんも加えた計12の組織がそれぞれ負担金を拠出し、かつ国の事業で2分の1補助を受けたのは、全体の投資額として十分な金額を担保できたかと思います。
よって、各自治体にとっては投資対効果の面でメリットが高く、連携の大きな意味だったと考えています。
関東観光広域DMOのSNSでの投稿内容は、各自治体のPRはもちろん、一緒に関東観光広域DMOのSNSアカウントを運営していく中で蓄積したノウハウを各自治体に持ち帰って、自治体のSNSアカウントの運営や施策に反映するいうことをやっていただいています。
また、Tokyo and Around TokyoのInstagramに投稿する際、併せて自治体さんのSNSアカウント名を紹介しフォロワーの流入を図っています。
このような形で、全体としてレベルを上げていき、ノウハウを蓄積していきつつ、各自治体のSNSアカウントにもノウハウを展開いただくということができているのではないかと思っています。
服部氏:「Tokyo and Around Tokyo」という同じInstagramアカウント、Facebookアカウントの土俵で、1都10県が投稿回数は公平にそれぞれ魅力的な写真を投稿するわけですが、フォロワーの皆さまからの「いいねの数」は数字に差が出ます。
だからこそ、このような写真を投稿すると反応がいいんだなとかこういう切り口もあるんだ、うちの県にもこういった素材があるんじゃないかとか、同じ土俵でチームでもありライバルでもあるがゆえの次につながる学びの会話が生まれてきています。
2つ目の施策であるフォトコンテストは、昨年度2020年の応募枚数が3,724枚、今年2021年の応募枚数は5,230枚と、昨年を大きく上回る応募がございました。
旅行者、写真趣味層にとっては行政区域はあまり重要ではなく、例えば福島県在住の方も車移動され福島県はもちろん茨城や栃木、群馬あたりまで行って撮影されています。
昨年の1都4県から、今年は1都10県と対象エリアが増えたことでフォトコンテストの応募枚数も増加し、エリア全体としての今後のプロモーションのための武器を入手できたと言えます。
施策の全体像(なぜSNSとフォトコンテストか)
次に、なぜSNSとフォトコンテストなのかについてご紹介します。
SNSで綺麗な写真を見た人が、写真を撮るために実際にその場所を訪れるという実例は多く、観光と写真の親和性の高さは皆さまもご存知のとおりです。
写真をフックにして誘客したい場合、このような施策全体像で考えていきます。
まず写真映えする場所があるか、そしてそれが知られているか、来てもらえるか、そしてお金を落としてもらえるか。
今回の施策は「フォトコンテスト」、そしてこの後リアルな場所で写真を展示する「写真展開催」を予定しております。いずれも「知られていない」ので「知ってもらう」というアプローチです。
SNS運営に関しては、顕在的なファンのみならず潜在的なファンにリーチして定期的に情報発信していくためのプラットフォームとして重要です。
関東観光広域DMOでは、この資料の赤色の部分(「フォトコンテスト」「写真展」「SNS運営」)に取り組んでおります。
なぜSNSなのか。SNSでの発信は、受け手側が広告や宣伝と思わないような形で、Pushで情報を伝えられるのが大きなメリットです。コロナ禍で今は旅行に行けなくても旅行に行きたいなと思っている多くの方々に写真を見せて、ここはどこだろう、と知ってもらうとか、東京から行けるんだ、次回日本に行く時は必ず行こうという気持ちを醸成していく。
こうした形でファンにリーチしていくことで、来られるようになったら来てもらう、旅行地として忘れられないようにできるのです。
なぜSNSかという2つ目の理由は、身近な人のSNS投稿が旅行計画に大きく影響を与えているという調査結果が示すとおり、SNSで旅行先を検討する・決めるという行動が一般的になってきているからです。特にSNSの中でもInstagramが旅行の情報を調べる時のメインの手段になってきており、SNS運営の強化は非常に重要だと言えるのです。
SNS上で(この資料に掲載した写真のような)写真を見て、実際に人が来るようになった観光地も多くあります。
写真が大事なのはわかった、SNSが大事なのもわかった、じゃあどうするかということですが、多くの自治体さんからは「まず高品質な写真を集めるのが大きな課題だ」というお悩みを伺います。
東京カメラ部では、一般の方からの投稿をご紹介していく方法でSNSを運営しておりまして、一般の方からの投稿をどのように募っていくかということを自治体さまと一緒に進めてまいります。
写真をどう集めるかというところを皆さん苦心されているとよくお聞きするのですが、服部さん、いかがでしょうか。
服部氏:関東観光広域DMOで1都10県の方々に「何に一番困っていらっしゃいますか」という会話をした際、「観光協会や観光課なんだから、インバウンド向けの良い写真をお借りできませんか」「用意してもらえませんか」というような依頼があるが、写真を用意できずに困っているという話を多くの自治体からお聞きしました。
具体的には、撮影してから5年も経っており最新の写真がない、日本人向けには受けが良い写真だけれど訪日外国人向けの写真がない、違う季節の写真しかない、などのお悩みです。
写真を手配してよ、と簡単に言うけれども写真を用意することは大変なんだよと、その辺の事情を察してくれ、というような会話をよくしていたんですね。
今回の事業はSNSの情報発信という課題がテーマですので、フォロワー数の拡大の部分を注目しがちなのですが、担当者レベルでは、SNS経由で一般の方々から質の高い良い写真を多く集められその写真で広報活動できるのが喜んでいただけたポイントです。
ありがとうございます。
写真はどうしてもどんどん古くなっていきます。4〜5年経つと撮影された場所の様子が変わってしまっていることもあるので、いまInstagramに投稿されている写真を使って発信できるのは大きなメリットです。
日本のSNSでもう一つの特徴は、日本は写真撮影がうまい人が多い国であること。すなわち写真家としてプロではないけれども、趣味で撮影しているアマチュア層のレベルが高いことです。多くのカメラメーカーが日本企業であることが大きな理由のひとつだと考えられます。
そのようなレベルの高い方々が、SNSにご自身の写真を投稿しているので、その写真をより多くの方に見てもらえるようにSNSアカウントでご紹介すると非常に喜ばれます。
このようなWin-Winの関係で、SNSアカウントで写真を使わせていただきつつご紹介をする、ということが成り立っています。
服部氏:ただ、気をつけるべきポイントもありますね。
はい。SNSに投稿された写真は自由に使っていいわけではない、ということが非常に重要なポイントです。
SNSアカウントでフォロワーの投稿を収集するには、まずハッシュタグを付けて投稿してください、とフォロワーにお願いして、そのハッシュタグが付いている写真はこのアカウントで紹介します、ときちんと明示することが必要です。
ハッシュタグを付けて投稿くださる方は、基本的には協力的な方々ですので、感謝の気持ちを持って写真をご紹介すれば喜ばれます。ただし、それはあくまでもInstagramの当該SNSアカウントでのご紹介の使用範囲に限定されています。
もし、ホームページやポスターなどに写真を使いたいというご要望の場合は、SNSアカウントで明示した内容と用途が異なりますので別途撮影者にご相談する必要があります。写真の著作権を侵害しない、ということは非常に重要です。
写真は撮影者にとって大切な宝物ですし、かなりの撮影コスト(時間、お金)もかかっています。そのような撮影者側の背景も踏まえつつ、撮影者への敬意を持って、あくまで「作品を使用させていただいている」という感謝を忘れないようにすることが大切です。
服部氏:フォロワーさんからすごく素敵な写真が投稿されると、この写真をうまく使いたい、二次利用したい、という気持ちになるのはとてもよくわかります。ただ、私もメディア「じゃらん」に関わっていた歴が長いので、写真や画像の著作権を守らないといけないということは強く申し上げたいと思います。これを守らないと写真家さんとの信頼関係が崩れてしまいます。
私どもは、自治体と地元写真家の関係は重要だと考えています。地元の写真家を巻き込むことによって、撮影マナーをきちんと守りましょう、ということにもつながりますし、地元の写真家さんの中には地元の発信に協力的な方もたくさんいらっしゃるので、上手に関係を作っていただければと思っています。
海外向けの質の高い写真収集例として、東京カメラ部が立ち上げをサポートした日本政府観光局(JNTO)のInstagramをご紹介します。日本政府観光局のInstagramアカウントでは、#visitjapanjpを付けて投稿してくださいと一般の方に呼び掛けまして、このハッシュタグが付けられた投稿の中から選んで紹介、という運営をしています。これによりコンテンツの制作が運営側では不要になる、また、ハッシュタグの付いた投稿が増えれば増えるほどInstagram内での宣伝になりますので広告費用が低減できる、ということになります。
また、Instagramへの投稿の活性化のためにフォトコンテストを実施する事例も多く、関東観光広域DMOでも「Tokyo and Around Tokyoフォトコンテスト」を行いました。
フォトコンテストも一緒にやることでさらに投稿を促進できます。
今年度事業の進捗(1都10県)
続きまして、今年度事業の進捗をご説明いたします。
今年度は1都10県にご参画いただき、SNS発信事業とフォトコンテストを実施しました。
1都10県はかなり広いエリアですので、SNS投稿も見応えのある写真が増え、皆さまからのハッシュタグ投稿数、フォトコンテストの応募数、フォロワー数はボリューム感が増してきた印象です。
9月27日時点で、Instagramが4.2万、Facebookが8.2万のフォロワーを獲得し、順調に伸長しています。
昨年度よりも多くの自治体のご参加により、被写体のバリエーションも増え、他の自治体さんからの投稿結果から学ぶ機会も増えました。東京カメラ部には、各自治体からどうしてこの写真はこんなに伸びたのか、などのお問合わせも多くいただいております。
服部さん、関東観光広域DMOにもそのようなご質問がありますか。
服部氏:いい意味で1都10県それぞれがライバルでもありまして、私どもにも「この投稿写真にこんなにいいねが付いた理由は何ですか」というお問合わせをいただきます。
ある投稿写真の場合は、アニメの登場シーンに似ている写真だからだろうなと推察をしてお答えしました。結果それが正しいかはわかりません。旅行者は、1都10県という広いエリアを一つに見ていると思うのですが、都県の方々はどうしても自分たちの県ということでとらえがちです。今回の事業のように、自分のエリアの写真よりも2倍、3倍見られている写真があるという結果を見ると、なぜだろう、に端を発するコミュニケーション、会話が飛び交う、このことには大きな意味があると思っています。
私どもも、これはどこだろう、こんなきれいなところあったんだっけ、という発見が多く、個人的には、知られているところをきれいに撮って紹介することも大事で王道なのですが、知られざる魅力を発信することによる行きたいという動機づけにつながることは、日本人も外国人も一緒なのでは、と思っています。
今回この事業によって「新しい魅力を掘り起こす」ことができている点にとても価値を感じています。
ありがとうございます。
SNS投稿は、この投稿は意外といいね数が多かったなと予想外のこともありますので、そのような結果を逐一確認しつつ、皆さまが次に生かしていくことができているかなと思います。
フォトコンテストは今年2021年も7月6日から8月31日まで約2ヶ月間開催しました。現在、審査を進めております。
応募枚数は昨年よりかなり伸び5,230作品の応募がございました。募集期間はちょうどオリンピックの期間に重なり、またコロナ禍で感染が拡大していた時期でしたので、フォトコンテストの開催についての議論もありました。
ただ、このフォトコンテストを開催するにあたりましては、外出を促進するという意図ではございませんので、自治体の指示に従った行動をお願いしますということを募集要項に明記し、実施しました。また、過去に撮影した写真の応募も大歓迎ですよ、ということも併せて記載しましたので、これまでに撮影された写真も多くご応募いただいたと思います。1都10県とエリアが拡大したことにより、応募できる写真の対象が広がり、前回より応募しやすくなったのではないかと思います。昨年2020年度、東京カメラ部でTokyo and Around Tokyoアカウントで投稿する写真を選ぶ作業中に、この写真いいなと思って見ると当時は対象外の群馬の写真なので投稿できない、ということがございました。対象地域を広げることは、数・質の観点でメリットが大きいです。
今後に向けた課題・展開
先ほどご説明しましたとおり、現在「SNS運営」「フォトコンテスト」「写真展」を推進しており、「フォトコンテスト」「写真展」は、「知られていない」という課題に対して「知ってもらう」という施策です。
今後、その後の「来てもらう」「お金を落としてもらう」という課題についてご検討されていると思いますが、服部さんいかがですか。
服部氏:その前に、前提として訪日外国人の方が入国できないという今のタイミングで、各自治体の皆さまにおかれては予算化や事業計画を立てづらい時期だと思います。
私どもは、非常にラッキーなことに、このコロナ禍で入国できないタイミングでも情報を発信し続けておりまして、旅行先としての優位性がこの後立証されていくんじゃないかなと思っています。
2024年までは2019年レベルの訪日外国人は戻らないんじゃないか、2023年度にやっと少しずつ戻ってくるんじゃないかと予想されているのを聞くと、プロモーションを今やっても意味がないよと言われる方が数多くいらっしゃいます。
各地域のプロモーションの写真を見てお客様が旅行先を検討し、そこに行きたいなと思ってから実際に予約して来日するまでの期間は、コロナ禍の前は3カ月から半年・1年くらいでしたが、コロナ禍で長期化しています。よって、旅行先としてご検討いただくための最初の種まきをまさに今しておかないと、2024年にさあどうぞと受け入れられる状況になった時に発信しても、旅行先はすでに決まっており候補先として誰も知らないという状態になりかねません。いま情報発信することが非常に重要だと思っています。
今後に向けた課題・展開という観点では、SNSでInstagramフォロワー約4万人、Faebookファン約8万人を獲得できたので、引き続きさらに拡大していくとともに「SNSでフォロワーを集めて、後は来てもらうのを待つだけ」ではなく、フォロワー/ファンの属性やどうして日本に東京に興味をお持ちかなどの分析、さらにそれを活用した事業計画、集客にどうつなげていくかが私たちの大きな宿題だと考えております。
また、なかなか難しいのですが、ライブで詳細分析ができるようになるとその方々にとって魅力的なツアーや発信の仕方などを組み合わせてご提供できるようになるな、などと構想しています。今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。
こちらこそ今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。
関連リンク
Tokyo and Around Tokyo Instagram
https://www.instagram.com/tokyoandaroundtokyo/Tokyo and Around Tokyo Facebook
https://www.facebook.com/TokyoandAroundTokyo.EnTokyo and Around Tokyoフォトコンテスト2021
https://tokyoandaroundtokyo.tokyocameraclub.com/contest2021/Tokyo and Around Tokyoフォトコンテスト2020
https://tokyoandaroundtokyo.tokyocameraclub.com/contest2020/東京カメラ部株式会社運営の自治体・観光協会・DMO様の公式SNSアカウント
https://tokyocameraclub.com/corporate/media_localgov.php地域創生事例
https://tokyocameraclub.com/localgov/日本写真100景〈四季〉2021フォトコンテスト
https://tokyocameraclub.com/special/contest_2021/日本写真100景
https://japanphotospot.tokyocameraclub.com/