2015年2月14日(土)、CP+ 2015のパナソニックブースで、写真家の塙 真一さんをお招きし、東京カメラ部のトークショーが行われました。
はじめに、司会進行の塙 真一さんより、トークに参加する皆さんへ自己紹介のお願いがありました。
富久さん
「東京カメラ部の10選に2年連続入選させていただきました。よろしくお願いします。」
菊池さん
「私も東京カメラ部の2012年10選に選んでいただきました。よろしくお願いします。」
藤谷さん
「コンテストに入賞しています。よろしくお願いします。」
かずさん
「Appleman+こと、かずと申します。東京カメラ部コンテストに2年連続入選させていただきました。今回このような機会をいただきありがとうございます。」
トークショーのスタートです。まず、塙さんからCM1の商品説明がありました。
塙さん
「CM1は形がスマホですが、コンパクトデジカメの高画質モデルと同じサイズの1インチセンサーが入ってます。レンズは単焦点のライカレンズ。スマホのような操作感ですが、モードダイヤルでモードを切り替えて露出補正、ISO感度やホワイトバランスを選んだりと、操作できることはLUMIXと同じカメラです。3月半ばに発売されるのですが、いま予約受付中で大人気のモデルなんです。」
今回は、東京カメラ部の皆さんに、実際にCM1で撮影してもらった写真を見ながらCM1の感想やご意見を伺っていきます。
まず、かずさんの写真から。
かずさん
「CM1を手にしたとき、水しぶきを止めてみたいと思ったんです。長崎の水族館に家族で行ったときに撮影しました。スマホで撮影するような感じでパシャっと1枚撮りました。普段使っているスマホに比べると鮮明で、シャープに輪郭が出ています。2000分の1秒でISO125、F5.6で撮っているのですが、これだけ描写してくれます。すごくびっくりしました。」
塙さん
「確かにISOがいくつで、など考えて撮れるというのはスマホのカメラにはないですね。逆光の中でこのタイミングで、水しぶきの感じもすばらしいです。」
次は菊池さんの写真です。
菊池さん
「千葉県の野崎海岸で、日が沈むころに撮影しました。60秒間の長秒露光です。三脚はスマホ用の三脚を付けられるアダプタを探して、自分なりに工夫して立てました。」
塙さん
「スマホカメラで長秒露光は撮影できませんね。スマホのようなカメラで撮影したとは想像できないくらい素晴らしいです。」
次は富久さんの写真です。
富久さん
「水面がきれいだったので、撮影しました。露出がボリュームのところで調整できるので、少し下げて一発撮りです。一眼レフで撮ったと感じられる写真になったと思います。今まで一眼レフを持って通勤してたのですが、今はCM1だけになりました。」
塙さん
「写り込みがステキですね。スマホのカメラではシャドウのトーンが難しいのですが、朝日の感じがよく出ていて素晴らしい一枚です。」
次は藤谷さんの写真です。
藤谷さん
「主にストリートの写真を撮影することが多いので、通勤に持ち歩いています。直感的にばっと撮れるのがいいですね。ポケットから取り出してすぐ起動できますし、操作も速くできて便利です。」
塙さん
「フィルム調のこってりした感じに見えますが、後処理で何かされましたか?」
藤谷さん
「RAWで撮影できますので、読みこんでから多少現像で変えたりしました。」
塙さん
「スマホのようなカメラでRAWが撮れるのはCM1の特徴ですね。皆さん、RAW現像を普段されたりしますか?」
(全員挙手)
塙さん
「やはりRAWがあった方がいいということですね。」
次は、かずさんの写真です。
かずさん
「他のスマホで夕日や太陽を撮ることが多いので、CM1でも試しに撮ってみました。F11で絞って太陽が放射線状に光る感じを試してみました。スマホでは白くつぶれて表現できなかったのですが、CM1では絵になったと思います。シャッタースピードは2500ぐらいで、シャッタースピード優先モードで撮影しました。ホワイトバランスで青を強調しています。」
ここで、塙さんが水しぶき部分を拡大しました。大画面で表示しても、水しぶきがくっきりと表現されています。
かずさん
「CM1で簡単に撮れて驚きました。また、CM1は下の方から狙うなどアクティブなアングルができるのも楽しいですね。ズームをしたいときはRAWではできないので、JPEGに切り替えています。」
次は、菊池さんの写真です。
菊池さん
「これは森の池の水面です。池の底に枯葉が沈んでいて、木が写り込んでいます。スマホ用の自撮り棒を延ばして撮影して、自分が写り込まないようにしました。CM1は軽いので、色々できて楽しいです。写り込みが明るくなりすぎると白くなって下の方が見えづらくなるかと思って、落とし目で撮っています。それと現像の時にシャドウを上げて、下の葉っぱの色が出るようにしています。」
塙さん
「この写真、合成とは違う自然の不思議さがよく出ていて、写り込みのコントラストもすてきだし、好きだなぁ。」
次は、富久さんの写真です。
富久さん
「通勤の途中に見かけた、水が浸透するタイプのアスファルトに紅葉が落ちて、色が少し残っていて面白いなと思って撮影しました。元々赤めのアスファルトです。色は多少シャドウを下げました。ピントはオートフォーカスで、使い勝手は速いです。解像度は2000万画素あるので、印刷しても大丈夫かなと。
CM1は撮りたいときにカメラを直接起動できるところが気に入っています。」
塙さん
「CM1はスマホとして立ち上げる必要もなく、いきなりカメラを起動できるのが撮る人間にとっては楽ですよね。都会のわびさびがある感じがして好きだな。」
次は、藤谷さんの写真です。
藤谷さん
「動きのあるところが撮りたくて、シャッタースピードを「優先にして1/50ぐらいから少しずつ下げて、たぶん1/20ぐらいで撮影しました。RAWで撮って現像時にモノクロにしました。光と影がよかったので、撮影するときからモノクロを意識しました。」
塙さん
「動き感を出すにはシャッタースピードのコントロールは大切ですが、カメラじゃないとできませんね。マンホールが中央にあって、四つ字になっている横断歩道の感じがバランスがいいですね。独特の荒れ感で都会のジャーナリスティック感が出てますし、ハイライトのきらめき感もかっこいいですね。」
次は、かずさんです。
かずさん
「熊本県に家族で遊びに行った時、阿蘇山の向かい側にある有名なラピュタ道を撮影した一枚です。クリエイティブコントロールというモードのポップを使って撮影しました。表現力という面ではとても豊かで、普段使ってるスマホのカメラと比べると、ヴィーナスエンジン、2000万画素あって、1インチセンサー、ライカレンズなどカメラの性能を感じます。自分がイメージしたものが描写されると思います。」
塙さん
「逆光の日差しがふわっと入ってきてるところとか、カメラの性能だけでなく、かずさんの日差しの捉え方がステキです。」
次は菊池さんです。
菊池さん
「真夏の海で撮った写真です。真夏は液晶のディスプレイが見えなくなりますが、ワンタッチで光をMAXにできるので、ぎりぎり構図を確認しながら撮影することができました。
塙さん
「ぎりぎりね(笑)。僕は正直ファインダーが欲しいと思いました。」
菊池さん
「割れたガラスの間にちょうど足が入るように現場で調整できました。色合いはRAW現像で寒色系にして不気味な感じに仕上げました。」
塙さん
「重々しい雰囲気が出てるし、空の雲の描写などがステキですばらしいですね。」
次は富久さんです。
富久さん
「中目黒のイルミネーションです。一眼レフのオールドレンズの反射を撮りました。28mm-55mmの径なんですが、トリミングなしでこれだけ寄れるので、ちょうどレンズの大きさでおもしろい絵を撮ることができました。マニュアルフォーカスで、ストレスなく撮影できました。」
塙さん
「スマホのカメラと異なり、夜景も撮れるのはCM1のメリットですね。」
次は藤谷さんの写真です。
藤谷さん
「歩道橋の上から撮影しました。横断歩道を渡っている時間が短いので、外側のリングを回すだけでシャッタースピードを変えられるのが便利です。」
塙さん
「僕は露出をメインにしていますが、藤谷さんはシャッタースピードがポイントなんですね。単に小さな薄いカメラですよね。シャッタースピードにこだわれているだけあって、動き感や躍動感がすばらしいです。」
ここで、塙さんの写真を紹介しながらCM1のお話です。
塙さん
「僕はパリで、CM1を街スナップカメラとして撮りました。ハッセルブラッドというカメラが大好きで、6×6フォーマットのモノクロがすごく好きなので、CM1はモノクロ、1対1に焦点をしぼって撮影してみました。加工せず、撮ったままのJPEGです。CM1を目にしたパリの人に『それはカメラか?スマホか?』と2人ぐらいから聞かれました。プリントしてもいけるので、これ1台で十分ですね。ただストラップは欲しいですよね?(笑)僕は欲しいので、『COTTA』というメーカーのCM1専用ジャケットでストラップを使っています。」
最後に、CM1について一言ずつお話しいただきました。
かずさん
「手軽にポケットからポンと出して、これだけの高画質な写真が撮れて、SNSに投稿できる便利さはすごいです。バッテリーの減りが少し早いけど、通信などの性能からすると仕方ないのかなと思っています。」
塙さん
「みなさんのバッテリーの持ちが悪いのも一生懸命撮っているからですね。みなさんの写真は何気ない一枚に見えるけど、相当撮っています(笑 僕はモバイルバッテリーを持ち歩いて充電して使っています。」
菊池さん
「僕も同じで、手軽さがいいです。設定を変えやすいところも気に入っています。バッテリーの減りは気になりますが。」
富久さん
「フラッシュがLEDではなく、本当のフラッシュがいいなと感じました。」
塙さん
「僕はLEDがものすごく気に入ってるんです。点けっぱなしにできるので、明るさを確認しながら撮影できるので重宝してます。」
菊池さん
「とにかく小さいので、持って出ることに抵抗がないのが一番いいところですね。カメラのグリップがもう少しホールドしやすいといいなというところはあります。指の引っ掛かりがあるとか。」
塙さん
「ストラップがないこともあり、そのまま持ってると落としそうになる怖さがありますね。」
塙さんから最後に補足。
「さらに、CM1のすごいところは4K PHOTOです。連写から1枚を選ぶことができます。実演できるので、ぜひ体験していってください。」
1日目のトークショーはここまでとなりますが、2日目のトークショーも盛り上がりました。こちらは動画にてお楽しみください。
2日目の最後には東京カメラ部のみなさまから「CM1はこんなカメラです!」とコメントをいただきました。
菊池さん
毎日持ち歩くことに全く抵抗が無いカメラ。シャッターチャンスを逃さないカメラ。
富久さん
通勤の時に本気の写真が撮れるカメラ。プリントまで考えた写真が撮れるカメラ。
藤谷さん
咄嗟にポケットからすぐに取り出して撮れるカメラ。
かずさん
ポケットからパッと出してこれだけの高画質の写真が撮れるので、SNSなどに投稿して他のみなさんより高画質でスゴい写真が見せられるカメラ。
東京カメラ部の皆さんは普段一眼レフを使っている本格派の方々ですが、CM1のスマホサイズらしからぬ実力に驚いていました。塙さんとの写真談義も楽しいトークショーとなりました。