福島県葛尾村(かつらお村)

絶望を乗り越えた村に咲く真っ赤な花~花が紡ぐ村の復興ものがたり~

渋谷ヒカリエのトークステージで行われた葛尾村のトークショーと、客席の来場者

2026年9月19日(土)~9月22日(火・祝)、東京・渋谷ヒカリエにて「東京カメラ部2026写真展」が開催されました。開催期間中のイベントステージでは、人気フォトグラファー、写真業界関係者、出展自治体の首長、歴代東京カメラ部10選などをお招きして、さまざまなテーマでトークショーが行われました。

9月19日(土)に行われた「葛尾村」のトークショーでは、福島県葛尾村村長篠木弘さん、葛尾村地域振興課経済産業省派遣杉本誠さん、東京カメラ部(塚崎・鶴山)が登壇し、「絶望を乗り越えた村に咲く真っ赤な花~花が紡ぐ村の復興ものがたり~」というテーマでお話しいただきました。

  • 福島県葛尾村 村長

    篠木 弘さん

  • 葛尾村地域振興課 経済産業省派遣

    杉本 誠さん

  • 東京カメラ部 代表

    塚崎

  • 東京カメラ部 葛尾村担当

    鶴山

はじめに

マイクを手に話す東京カメラ部代表の塚崎
東京カメラ部 代表 塚崎

塚崎

皆さんこんにちは。東京カメラ部代表の塚崎です。本日は葛尾村のトークショーにお越しいただきありがとうございます。「絶望を乗り越えた村に咲く真っ赤な花~花が紡ぐ村の復興ものがたり~」というテーマで本日はお送りさせていただきたいと思います。本日は3名の方にご登壇いただいております。まずは葛尾村長、経済産業省から派遣されている杉本様、そして当社で担当をさせていただいている鶴山、この三名でトークショーをお送りさせていただきたいと思います。それではまず自己紹介をお願いいたします。

マイクを手に話す篠木弘村長
福島県葛尾村 村長 篠木弘さん

篠木

皆さんこんにちは。ご紹介いただきました葛尾村長、篠木でございます。葛尾村は福島県の阿武隈山系という山地のちょうど真ん中にあるところです。ご存知のとおり、東日本大震災から15年が経過します。そういうなかで、震災当初、全国各地からたくさんの面でお見舞いやご支援をいただいたことに対して、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

マイクを手に話す杉本誠さん
葛尾村地域振興課 経済産業省派遣 杉本誠さん

杉本

皆さんこんにちは。経済産業省から葛尾村に派遣されております、杉本と申します。現在は葛尾村の復興支援として、主に観光業と商工業を担当させていただいております。一つ伺ってみたいのですが、葛尾村を知っている方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか?ありがとうございます。結構いらっしゃいますね。まだご存知でない方も、今日は葛尾村を知ってぜひ帰っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

塚崎

よろしくお願いします。では最後に鶴山さんお願いします。

マイクを手に笑顔で話す東京カメラ部の鶴山
東京カメラ部 鶴山

鶴山

私は東京カメラ部の社員で鶴山と申します。葛尾村の担当をしております。今回はこのトークショーと、後ろに葛尾村のブースが4日間出ておりますので、まだ訪れてない方はこのあとぜひブースを訪れていただきたいと思っております。これから約40分ちょっとで葛尾村の魅力と、冒頭は村長や杉本さんから東日本大震災のお話をいただき、その後には我々が今取り組んでいるクリムゾンクローバーのプロジェクトをご紹介したいと思っております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

葛尾村へのアクセス

塚崎

ありがとうございます。では本題に進む前に、葛尾村が福島県内のどこにあるか、また東京からのアクセス情報を含めてお話ししたいと思います。では鶴山さんお願いします。

スライド:葛尾村へのアクセス情報。新幹線、特急、飛行機それぞれのルートと所要時間
葛尾村へのアクセス

鶴山

予想以上に葛尾村を知っている方が多かったので、説明するまでもないのかなと思っているのですが、念のためご説明させていただきます。実は今日、村長も朝に葛尾村を出て東京にお越しいただいております。東京起点でご紹介しますと、地図の黒枠が起点となる郡山市、赤い箇所が葛尾村の位置関係になっております。行き方としては新幹線、特急、飛行機の三つがありますが、新幹線で行くパターンですと東京駅から郡山駅まで行っていただき、そこからレンタカーで約60分から70分ほどの距離感にあります。もう一つ、常磐線の特急利用で東京駅から双葉駅まで行き、そこから車で行くルートもございます。また、東京から飛行機で行くことは基本ありませんが、福島空港が存在しています。大阪の伊丹空港と北海道の新千歳空港から直行便が飛んでおります。東京だけではなく大阪や北海道からもアクセスが良い位置関係になっておりますので、いずれにしても新幹線の駅、双葉駅、空港から約一時間前後で到着する位置になります。

震災と全村避難

塚崎

ありがとうございます。今年は東日本大震災から15年を迎えます。ここからは震災当時の様子などについて、杉本さんからお話をいただければと思います。

地図:福島第一原発から半径20km・30km圏と葛尾村の位置、避難所があった福島県内の市町村
葛尾村の位置と、避難所があった市町村

杉本

私の方から簡単に葛尾村での震災時の様子や避難について説明させていただきます。葛尾村は東日本大震災に伴う福島第一原発事故を受け、全村避難をした自治体となります。スライドの通り、葛尾村は福島第一原発からおよそ20キロから30キロ圏内に位置しております。3月11日に東日本大震災が発生した後、原発事故を受け、3日後の3月14日に当時の村長が避難を決断し、全村民に対して避難を勧告しました。14日に福島市内にあるあづま総合運動公園へ一時避難を行いました。その次の日の15日に、さらに西側の会津坂下町方面に移動し、そこで3ヶ月ほど避難生活を送っております。その後、三春町に仮設住宅ができたことに伴い、6月26日に移動となり、そこで避難指示が解除されるまで多くの方々が過ごすこととなりました。私は当時現場にはいませんでしたので、村長、よろしければその際の状況などをお願いできますでしょうか。

当時の状況を語る篠木村長と、隣で耳を傾ける杉本さん

篠木

当時はまだ村長になっておりませんでした。私はふたば地区のJAの専務をやっていた関係で、組合の対策を講じておりました。避難当初は急遽避難した状況のなかで、かなり厳しい状況でした。葛尾村は第一原発からは離れていたのですが、双葉、浪江、大熊、富岡の方々が葛尾村に避難をしてきた経過がございます。3月12、13、14日の3日間くらいはかなり切羽詰まった厳しい状況でした。そのなかで葛尾村も全村避難ということで、誰一人残らず村外に避難をいたしました。避難先では、震災当初いろいろなところから支援物資が来る予定だったのですが、福島県内に支援物資が一週間は入らない状況だったんです。なぜかというと、放射能の関係でトラックが全然来ず、運転手の方にも断られた状態でかなり厳しい状況でした。

「かつらお村」のロゴが背中に入ったシャツを着て話す篠木村長の後ろ姿

篠木

JAにおりましたので避難者の皆さんが毎日食べるおにぎり2つくらいしか支給できなかったのですが、その支給を我々が一役を担いました。私自身も村民のため、組合員や県民のために一日も休まない状況が続いてまいりました。避難者が県内外に避難したときに、着の身着のままでなにも持たない状況だったものですから、生活するお金もなかったんですね。免許証かなにかがあればとりあえず生活資金を供給するということを対応させました。そこでひとまず安心したわけですが、そこからが大変でした。避難者がどこに避難しているかという確認作業も大変だったのですが、全国のJAのネットワークや自治体にもお世話になりながら確認作業を行いました。この話は1時間も2時間もできそうなのでこのくらいにしますが、当時、全国、各国からいただいたご支援に本当に感謝申し上げます。避難者がいち早く生活体制を整えることが我々の役目だったと思っております。葛尾村は現在では一部地域を除き避難解除になり、戻ってきた状況です。今現在私は3期目となります。前村長の後を継ぐ形で、現在は村長を仰せつかってやっております。

地図:葛尾村の警戒区域(野行・岩角・大放)と計画的避難区域(その他の地区)。平成23年4月22日から平成25年3月21日まで
平成23年4月22日から平成25年3月21日までの避難区域

杉本

ありがとうございます。過去に例のない取り組みで、役場職員も非常に大変だったという話は私もたくさん受けておりました。では次はこちらが平成23年4月に葛尾村が警戒区域、そして計画的避難区域に指定された時のマップになります。葛尾村は3月中旬時点ですでに全村避難していましたが、翌4月に正式に避難区域として指定されました。

地図:見直し後の葛尾村の避難指示解除準備区域(緑)、居住制限区域(黄)、帰還困難区域(赤)。平成25年3月22日から
平成25年3月22日からの避難区域

杉本

その後、平成25年3月に三つの区域に見直しが入り、緑色の避難指示解除準備区域と黄色の居住制限区域については、平成28年6月に避難指示が解除されております。ただ、赤色の帰還困難区域につきましては、現在も一部を除いて解除がされていない状況になります。

写真:震災による葛尾中学校の法面崩落と配水管の損傷
震災による被害(葛尾中学校の法面崩落、配水管の損傷)

杉本

こちらが葛尾村での大震災による被害状況の写真となります。中学校の法面崩落や配水管の部分的な漏水などが発生しましたが、葛尾村自身は最大震度5強でしたので、他の被災地と比べてそれほど大きな物理的被害はありませんでした。むしろ原子力発電事故に伴う全村避難、そしてその後の除染作業の影響が大きかったところです。村長、コメントよろしいでしょうか。

篠木

その後は農地の除染を行いました。表土を剥いだ土は大熊町と双葉町に運んで仮置きをしております。どういう対応をするかということを、国と議論しながらみなさんの理解を得て進めているのが現状です。除染で表土を削ったため、農業の村である葛尾村の農地の土がなくなったわけです。地力回復のためにクリムゾンクローバーを蒔いて緑肥として対応しようということで始まったのが、このクリムゾンクローバーでございます。

地力回復から生まれたクリムゾンクローバー

塚崎

村長、貴重なお話ありがとうございました。この15年のなかにどういう思いが込められているか、皆さんも思いを寄せていただけると幸いです。続いて、そんな絶望のなかに立たされた葛尾村に、希望の灯りが灯るクリムゾンクローバーのエピソードについてお話しさせていただきます。その前に、今年5月に葛尾村が開催したクリムゾンクローバーフェスティバル2026の様子をご覧ください。

クリムゾンクローバーフェスティバル2026の様子

塚崎

皆さんいかがでしたでしょうか。本当に美しいですよね。クリムゾンクローバーを初めて見た人も多いのではないでしょうか。このクリムゾンクローバーは、毎年5月頃に咲く花です。葛尾村の農家の方が自分の農地に種をまいているのですが、目的は地力回復です。花が咲いた後、畑にすき込んで栄養にする緑肥と呼ばれるもので、土に窒素を入れるんですね。除染を行ったのでせっかく先祖代々育ててきた土地が痩せてしまったんですよ。その土地をもう一度回復させるためにやっている取り組みです。ここからはクリムゾンクローバーの作品を写真でいくつかご紹介させていただきます。まずは鶴山さん、紹介してもらえますか。

森を背景に、一面に広がる真っ赤なクリムゾンクローバーの畑
東京カメラ部が葛尾村と出会った一枚(2025年5月)
東京カメラ部10選 柄木孝志さん

鶴山

この写真が東京カメラ部が葛尾村と出会った記念すべき一枚になっております。2025年の5月に東京カメラ部が葛尾村に入り、東京カメラ部10選の柄木さんが撮影したものです。柄木さんも全国に行っていますが、この規模で真っ赤な花が咲いているのを見たことがないと言っておりました。写真を撮るだけではなく、これを観光コンテンツにして多くの人に来てもらおうと村の方々と話し合って取り組みが始まりました。記念すべき一枚です。

星空の下、手前の花が淡く浮かび上がる夜のクリムゾンクローバー畑
同じ場所で撮影した夜のクリムゾンクローバーと星空
東京カメラ部10選 柄木孝志さん

鶴山

同じ場所で撮った夜の写真がこちらになります。村の方々は夜見ようとはなかなか思わないとは思うのですが、柄木さんがスマートフォンの光を使って手前の花を浮かび上がらせながら、夜の星空と一緒に撮影した作品です。役場の皆さんに見せたときには、自宅がある場所でこんな星空とクリムゾンクローバーが一緒に撮れるんだと驚いていただけたのが、すごく印象深く残っています。

塚崎

今はカメラの性能が上がったので、暗いところも撮影できるようになりました。スマートフォンの画面をパッとつけるだけで手前が少し明るくなり、このような写真が撮れます。柄木さんが気づいて撮影し共有してくださった写真です。

クリムゾンクローバーフェスティバル2026

塚崎

ここからは今年の5月に葛尾村で初めて開催したクリムゾンクローバーフェスティバルの写真を紹介していきます。このイベントでは、村内3か所のクリムゾンクローバーの畑に、広島県世羅町で『花の駅せら』を運営している方々にオリジナルのフォトスポットを制作・設置していただきました。観光客の方や地元の方が記念に撮影できる場所を作っていただいたものです。杉本さん、このイベントの結果についてご紹介いただけますか。

杉本

今年5月19日から24日までの六日間開催し、約1,200人の方が観光で見に来てくださいました。途中から天気が悪くなってしまったのですが、予想以上に多くの方が来てくださいまして、傘を刺しながら写真を撮っている方もいて、写真の力はすごいなと実感しました。現在葛尾村内に住んでいる人口は約470名ですので、この6日間で人口の2.5倍以上の方が村に来てくださり、非常に効果的にPRができました。

塚崎

人口の2.5倍はオーバーツーリズムですね。日本全体で言うと2億5千万人が来たようなものだと思ってください。では、鶴山さんお願いします

クリムゾンクローバー畑のブランコに座り、笑顔で手を振る3人
ブランコのフォトスポットで。中央が畑の主の松本哲山さん、両サイドが『花の駅せら』のお二人

鶴山

この写真の中央にいる帽子を被っている方が、畑の主の松本哲山さんです。両サイドにいるのが、ブランコのフォトスポットを作っていただいた『花の駅せら』のお二人です。一般の観光客の方々も多くここで写真を撮ってくださり、私たちも嬉しくなりました。

塚崎

哲山さん、いい顔をしていますよね。本当にいい方なんです。ぜひ皆さんに会っていただきたいです。

手前に花の赤いボケが広がり、奥のブランコに白い服のモデルが座る
ブランコのフォトスポット
東京カメラ部10選 柄木孝志さん
るかさん

鶴山

晴れている日に、モデルのるかさんと10選のKoichiさんが来て撮影してくださった写真もあります。先ほど杉本さんがおっしゃっていたように天気がぐずついた日もありましたが、初日の天気が良い日に素敵な写真を残していただきました。

塚崎

プロカメラマンじゃないとこういった写真は撮れないと思うかもしれませんが、そんなことはありません。スマホでも低い位置から花の近くで撮ればきれいに撮影できますので、ぜひ試してみてください。

夕暮れの空に月が浮かび、LEDライトに照らされたブランコにモデルが座る
夜のブランコと月・金星
東京カメラ部10選 Koichiさん

鶴山

続いては塚崎さんに、この写真のポイントを紹介していただきたいと思います。

塚崎

哲山さんにご協力いただき、夜特別に許可をいただいて撮影した写真です。10選のKoichiさんがモデルの方を入れて、LEDライトを置いて撮影しています。上のちょうど良い位置に月と金星があるんですよね。こういう写真が撮れる場所なんですよ。

鶴山

来年も同じような風景が見られますし、写真も撮れると思います。

塚崎

葛尾村のブースに展示していますので、ぜひブースで確認してみてください。

村民の畑とフォトスポット

一面のクリムゾンクローバー畑の中に置かれた白いピアノ
松本和雄さんの畑に設置した白いピアノ

鶴山

3名の村民の方の畑にフォトスポットを置かせていただきました。一人目が哲山さん、二人目が下葛尾地区にお住まいの松本和雄さんの畑です。こちらには本物の白いピアノを設置しました。和雄さんは今お一人で住んでいるのですが、娘さんが『こんなに笑顔になっている姿を久しぶりに見た』とおっしゃっていて、本当にジーンと来ました。なかなか人が訪れる場所ではないので、今回のイベントを通して多くの方が訪れ、SNSやGoogleマップにも写真が載り、自慢そうに掲載されたとスマホの画面を見せてくれました。とても印象深かったです。

塚崎

代々耕していた畑を復活させて、人がきれいだと見に来て写真を撮ってくれる。誇りを取り戻す瞬間だったと思います。

手前に花の赤いボケが広がり、奥のソファーに白い服の人物が座る
金谷さんの畑に設置したデニム生地のソファー

鶴山

3人目は、避難当時副村長を務めていた金谷さんの畑です。こちらにはデニムの生地をまとったソファーを設置しました。

一面のクリムゾンクローバーの中、ソファーに座る白いドレスのモデル
ソファーのフォトスポット
東京カメラ部10選 Koichiさん
るかさん

鶴山

モデルのるかさんを入れて10選のKoichiさんが撮影してくださった写真です。一つ目にブランコ、二つ目にピアノ、三つ目にソファーとそれぞれに違うフォトスポットを設置して、色々な写真が撮れるということをPRしていきました。実際は道がないのですが、畑の一部を刈り込んで道を作って、誰でも行ってきれいな写真が撮れる場所になっています。

塚崎

ご家族でお子さんを入れて撮ったり、皆さん色々な撮り方で楽しんでいらっしゃいましたね。

鶴山

クリムゾンクローバーが咲いた後には蕎麦をまくのですが、もう一つ、役場から200メートルほどの距離にある斉藤さんという方の畑をご紹介します。ここはフォトスポットを設置していませんが、手前の赤いクリムゾンクローバーと奥の深い緑が一緒に撮れる渋くてかっこいい場所です。

深い緑の森を背に広がる、赤いクリムゾンクローバーの畑
役場から200メートルほどの斉藤さんの畑

塚崎

役場から200メートルでこのロケーションです。めちゃめちゃきれいな村ですよね。このような宝物が眠っている村だと覚えて帰っていただければと思います。

青空と杉林の下、白い蕎麦の花が一面に咲く畑
同じ畑に咲く蕎麦の花

鶴山

実は同じ場所で、今は蕎麦の花が咲いています。

篠木

今は白い花が咲いて、紅白の違いを同じ場所で楽しめます。

蕎麦・畜産・凍み餅

塚崎

ここの蕎麦が本当にうまいんですよね。去年、挽きたて・打ちたて・茹でたての『3たて』をご馳走になって感動しました。

篠木

葛尾村では熱を持たせないように石臼で挽いて蕎麦粉にしています。風味がそのまま楽しめるんですね。震災前から『石臼の会』があり、現在も続いております。今年11月3日には『かつらお恵みの感謝祭』というイベントが開催されます。現在、葛尾村の人口は1,200名ほどですが、感謝祭には2,000名から2,500名ほどの方がお越しになり、蕎麦やイベントを楽しんでいらっしゃいます。葛尾村から東京近辺に出ている方々の『在京友の会』の皆様も、バス2台でお越しいただきイベントを盛り上げてくださっています。

塚崎

ありがとうございます。本当に美味しいですから、蕎麦好きな方は絶対に行った方がいいですよ。

牛舎で乳牛をなでる佐久間牧場の佐久間さん
佐久間牧場の佐久間さん

塚崎

続いて、福島県内で3番目の規模を誇る佐久間牧場さんです。福島県を代表する農協牛乳の一部として飲むことができます。震災で全頭手放さざるを得なくなってからの再スタートなのですが、実はこの佐久間さんがクリムゾンクローバーの取り組みを始められた方なんです。

「佐久間牧場」の文字とクリムゾンクローバーの刺繍が入ったユニフォームの背中
クリムゾンクローバーの刺繍が入ったユニフォーム

鶴山

佐久間さんのユニフォームの後ろにはクリムゾンクローバーの刺繍が入っていて、誇りを持って始められたのだと感じました。佐久間さんはクリムゾンクローバーのあとに牛の餌になるデントコーンを育てていまして、循環型経営をされています。

木造の牛舎で、餌を運ぶ台車の奥に立つ人と並ぶ黒い牛
葛尾村の牛舎

塚崎

葛尾村の主産業である畜産業は震災前から盛んでした。避難指示解除後に国から支援を受けて再開し、現在は和牛、乳牛、羊を生産されています。村長、葛尾村の畜産の特徴やおすすめを教えていただけますか。

篠木

テレビのダッシュ村に出演していた吉田愛梨朱さんや、秋葉さんという方もテレビに出ています。こうした若い方が就農して牛や羊を育てています。羊はジンギスカン等で提供しています。メルティーシープという羊を生産しているのですが、東京では麻布十番の『ジンギスカンYOSHIHIKO』というお店で葛尾村産の羊肉が食べられますので、ぜひ訪ねてみてください。

羊舎の通路に立ち、こちらを見る顔の黒い羊
葛尾村で育てられている羊

杉本

和牛やメルティーシープはふるさと納税の返礼品にもなっています。村に来ていただければ、タイミングにもよりますが村の復興交流館あぜりあでも販売しております。

塚崎

私もふるさと納税で両方ゲットしました。実は国産の羊肉は数パーセントしか出回っていないので、幻の羊をぜひ試してみてください。

写真:タレをかけて皿に盛った凍み餅と、袋入りで販売されている凍み餅
村の名産『凍み餅』

塚崎

続いて、東北地方で食べられている村の名産『凍み餅』です。村の『おふくろフーズ』さんが生産されていて、あぜりあやふるさと納税で購入できます。お餅をタレといいますか、ソースと一緒に食べるのですが、すごく美味しいんですよね。

杉本

独特の味わいがありまして、葛尾村に来ると食べられますのでぜひ食べていただければと思います。見た目は硬い石みたいですが、水に12時間浸して柔らかくしてから焼いて食べます。独特な地域の味で、草餅に近い味わいです。

塚崎

モチモチした食感とタレが絶妙で幸せな食べ物です。ご飯ともデザートともいえるような感じです。葛尾村では来月以降も複数のイベントを予定しております。鶴山さん、紹介をお願いします。

これからのイベント

葛尾村 クリムゾンクローバー

鶴山

10月3日にクリムゾンクローバーの種まきを行います。11月3日の感謝祭、その翌週にはフォトツアー、11月14日にはグルメを満喫するモニタリングツアーを開催します。まずはぜひ10月3日の種まきイベントにご参加いただきたいなと思っています。

塚崎

私も実際種まきをやってみたのですが、意外と難しいんですよね。

杉本

均等にまかないといけないのと、種をまく前にも作業がたくさんあるんですよね。天気を見たり、雑草を抜いたり。農業って奥が深いなと思いました。

鶴山

興味を持っていただいた方はぜひご参加いただきたいです。一番最初に見ていただいたブランコが置いてある畑、松本哲山さんの畑に現地集合ですよ。

塚崎

きれいな景観を見て撮るのが写真家じゃないですか。でも、どうせなら一緒に作りませんか。誰かが作ったものを撮るだけじゃなく、誇りを取り戻そうと努力をしている方々と一緒に歩んでみませんか?我々社員も総出で参加しますので、ぜひお越しください。

鶴山

皆様のご参加をお待ちしております。11月7日にはフォトツアーを予定しています。さらに翌週11月14日にはモニタリングツアーを開催します。葛尾村の秋の味覚を楽しむツアーを旅行会社から発売する予定です。この日限定のランチを予定していますので、ご興味がある方はぜひお申し込みください。

塚崎

会場後ろの左側に葛尾村のブースがございますので、ぜひお立ち寄りください。

クリムゾンクローバーの種袋とトートバッグを掲げて紹介する鶴山と塚崎
ブースで配布したノベルティを紹介する鶴山(左)と塚崎(右)

杉本

ブースにお立ち寄りいただいた方には、日替わりでオリジナルノベルティをプレゼントしております。1日目はトートバッグ、2日目はゆるキャラ『しみちゃん』の今話題のぷくぷくシール、3日目は鞄などに付けられるフライトタグ、4日目は缶バッジをご用意しております。また、クリムゾンクローバーの種も無料で配っております。皆さんのご自宅でもクリムゾンクローバーを咲かせることができます。この花により親近感を持っていただき、たくさん咲いている葛尾村にも来ていただければと思います。ぜひブースに遊びに来てください。

塚崎

秋にまけば来年の春に咲きますので、ベランダのプランターでも育てられます。最後に村長から皆様にメッセージをお願いいたします。

村長からのメッセージ

篠木

葛尾村ではクリムゾンクローバーや蕎麦など様々なものが育ちます。来年の春にはきれいなクリムゾンクローバーの真っ赤な絨毯が楽しめますので、ぜひ葛尾村へお越しください。まだまだ復興の途上でございます。我々が先頭に立って取り組んでまいりますので、葛尾村を忘れないで頭の隅に留めていただければ幸いです。

塚崎

ありがとうございます。関係者の方はもちろん、写真愛好家の方々に私から伝えたいことがございます。写真は被写体があってこそ存在します。その被写体は、誰かが作っています。偶然あるものではありません。誰かが大切に育て、維持してくれているからそこにあります。それを守ってくださっている方々に感謝をしなければなりません。理不尽に奪われた故郷を取り戻そうとしている方々を、ぜひ写真を通じて一緒に応援してみませんか?本日はどうもありがとうございました。

トークショーのタイトルが映るスクリーンの前に並ぶ登壇者4名
左から鶴山、塚崎、篠木村長、杉本さん