トークショーレポート

Talk Show Report

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

2025年9月12日(金)~9月15日(月・祝)、東京・渋谷ヒカリエにて「東京カメラ部2025写真展」が開催されました。開催期間中のイベントステージでは、人気フォトグラファー、写真業界関係者、歴代東京カメラ部10選などをお招きして、さまざまなテーマでトークショーが行われました。

9月14日(日)に行われた「こおりやま広域圏」のトークショーでは、写真家 横田裕市氏、東京カメラ部10選 photo_booooy氏、郡山市観光政策課シティプロモーション係 係長 菅野晃一氏にご登壇いただき、「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」というテーマでお話しいただきました。

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

菅野「皆さん、こんにちは。福島県郡山市から参りました、郡山市観光政策課シティプロモーション係の菅野と申します。本日はこおりやま広域圏で開催したフォトコンテストの作品をご紹介しながら、郡山市の魅力をご紹介させていただきます。ご一緒いただくのは、まず郡山市ご出身で東京都在住の写真家・横田裕市さん。そして、東京カメラ部10選で郡山市在住のphoto_booooyさんです。お二人には今回審査員を務めていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。私自身は郡山市役所でシティプロモーションを担当しており、写真の技術的な話はお二人にお任せして、地域の魅力という観点でお話しできればと思います」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

横田「改めまして、写真家の横田裕市と申します。郡山市出身で、今は東京を拠点に活動しています。国内外の風景写真を中心に、最近では国内は長崎県、海外は関西万博関連でウズベキスタンを訪れるなど各地で撮影しています。今日はフォトコンテストの受賞作品を通じて、こおりやま広域圏の魅力をお話しできればと思います。よろしくお願いします」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

photo_booooy「東京カメラ部10選のphoto_booooyと申します。現在は郡山に住んでおり、福島県内を中心に撮影しています。今回は審査員を務めさせていただきました。入賞作品を通して、皆さんに地域の魅力を知っていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします」

菅野「ありがとうございます。それではまずこおりやま広域圏の紹介を簡単にさせていただきます。郡山市は福島県の中央にあり、人口は約31万人。東北では仙台市に次いで2番目に人口規模の大きい都市です。新幹線なら東京から約80分で到着し、高速道路や鉄道が交わる要衝で、アクセスが非常に良い地域です。『こおりやま広域圏』とは、人口減少が進む中で市町村単位だけではなく、周辺自治体と連携して事業を進めていこうという制度に基づく枠組みです。このフォトコンテストもその一環として行っており、郡山市だけでなく周辺自治体と併せた計17市町村の魅力も発信しています。今回のフォトコンテストは6月から7月にかけて開催し、県内外から約3,600点もの応募をいただきました。ありがとうございます。本日ご覧いただくのは、その中から選ばれた受賞作品です」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

郡山市 賞
「冬明麗景」
【撮影場所】青松浜
【撮影者】鈴木 遼

菅野「それでは早速、17市町村賞の作品からご紹介します。まずは郡山市賞の作品です。こちらは皆さんご存知の方も多いと思いますが、猪苗代湖の写真です。行ったことのある方はいらっしゃいますか?猪苗代湖は日本で4番目に広い湖で、『天鏡湖』とも呼ばれる美しい湖です。今年7月には、ラムサール条約湿地として登録されました。福島県では尾瀬に続いて2番目の登録となります。猪苗代湖は郡山市・猪苗代町・会津若松市にまたがる広大な湖です。それでは、この写真について横田さん、コメントをお願いします」

横田「冬の澄んだ空気を感じさせる、猪苗代湖の美しい一枚ですね。ちょうど朝日が磐梯山のバックに昇ってきて、そのタイミングで白鳥が飛び立つ瞬間を捉えている、非常に素晴らしい作品だと思いました」

菅野「ありがとうございます。photo_booooyさん、いかがですか?」

photo_booooy「朝日が磐梯山に当たって立体感が際立っているところがまずとても印象的でした。そして飛び立つ白鳥が、しっかりフレームの中に美しく収まっている。構図とタイミング、どちらも完璧で、本当に見事な一枚だと思います」

菅野「ありがとうございます。ちなみにこの角度、後ろに映っている磐梯山が綺麗に見えるのは、郡山市側の湖畔、つまり猪苗代湖の南東部から撮ったときです。猪苗代町側や会津若松市側だと磐梯山が写らないところもあります。これから撮影に行かれる方は、その点も意識していただければと思います」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

須賀川市 賞
「うたかたの時」
【撮影場所】須賀川牡丹園
【撮影者】チョコ(_choko1)

菅野「続きまして、須賀川市賞です。郡山市の南に隣接する市で、こちらは『須賀川牡丹園』。全国で唯一、国の名勝に指定されている牡丹園です。例年4月から5月にかけて園内に和傘が飾られるイベントが行われ、華やかな景観が楽しめます。横田さん、コメントをお願いします」

横田「須賀川牡丹園は、私自身も子どものころからよく行っていて思い出深い場所です。写真家になるまえに祖父に連れて行ってもらった記憶があるんですが、当時は花を楽しむ場所という印象でした。最近はこのように和傘を取り入れた新しい演出が加わって、よりフォトジェニックな空間になっています。和傘の紫色と花々の色のコントラストがとても美しく、牡丹園の新たな魅力を引き出していると思いました。」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

二本松市 賞
「宵の赤そば」
【撮影場所】とうぎた赤そば畑
【撮影者】原田 美保

菅野「ありがとうございます。続きまして二本松市賞です。タイトルは『宵の赤そば』、撮影場所はとうぎた赤そば畑です。皆さんそばの花というと白をイメージされると思いますが、ここでは珍しい赤いそばの花が咲きます。赤そばは粉にすると野生味があってコシが強いのが特徴だそうです。遊休農地を活用した地域の取り組みとして栽培されており、その景観を写した作品です。横田さん、いかがでしょうか?」

横田「撮影で郡山市を周ったときに白いそば畑を撮影したことはあったのですが、この写真を見るまで赤そばの存在を知らなかったんです。とても驚きました。赤を活かしつつ空のグラデーションと、一本の木がとても印象的かつ幻想的です」

photo_booooy「この作品は二分割の構図がとても美しいです。そして個人的に心惹かれたのは、木と三日月の距離感です。まるでお互いが見つめ合い、対話しているような雰囲気を感じました。あの位置に三日月が入ることで全体のバランスがとれている、本当に素敵な一枚だと思いました」

菅野「ありがとうございます。やはりフォトコンテストの面白さは、観光地として有名な場所だけでなく、地域の人しか知らないような風景や、何気ない日常を切り取って魅力的に見せてくれるところだと思います。今回もそうした作品が多く集まりました」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

田村市 賞
「冬空の宝石箱」
【撮影場所】桧山高原 (田村市常葉町)
【撮影者】ちるえもん (@chillemoon)

菅野「続きまして田村市賞です。こちらは桧山高原という場所で、キャンプ場や風車のあるアウトドアスポットです。標高は約1,000mほどで、星空がとても綺麗に見えることで有名です。田村市は星空撮影の人気スポットでもあり、肉眼でも驚くほど美しい夜空が楽しめます。カメラを通すと星群まではっきりと写り込む魅力的な作品です」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

本宮市 賞
「花咲く庭で」
【撮影場所】プリンス・ウィリアムズ・パーク 英国庭園
【撮影者】Taeko(@tae_11o5n)

菅野「続いては本宮市賞です。舞台となったのは『プリンス・ウィリアムズ・パーク英国庭園』。平成27年にイギリスのウィリアム王子が訪問されたことを記念して名付けられた施設です。庭園だけでなく、子ども向けのアスレチックや公園もあり、私自身もよく子どもを連れて遊びに行く場所でもあります。photo_booooyさん、コメントをお願いします」

photo_booooy「私自身も子供を連れて行ったことがありますが、こんな素敵なスポットがあるとは知りませんでした。 この作品では、ただ子どもに立ってもらうのではなく、何かを覗き込むような姿を捉えていて、“何をしているのだろう”と見る側の想像を膨らませてくれます。また、背景のドームを切らさずに構図に収めている点や、右下に前ボケとして花を取り入れている点も印象的です。その花が加わることで華やかさとバランスが生まれ、1枚の作品として非常にまとまりを感じさせます。さらに、水面に映り込むリフレクションも頭までしっかりと収められており、撮影時のこだわりを感じます」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

大玉村 賞
「残雪の温もり」
【撮影場所】大名倉山
【撮影者】ふじこ

菅野「ありがとうございます。続いては大玉村賞です。タイトルは『残雪の温もり』で、作品は『大名倉山』から撮影されたものです。撮影者は実際にこの地区にお住まいの方で、山頂からは村全体を一望できます。冬景色でありながらも温かさを感じる作品でした。私も実はこの場所は初めて知りました。コメントをいただいておりまして『大玉村を一望できるこのスポットが大好きです。何度も足を運んで四季折々の写真を撮っています』ということです。冬なのですがタイトルの通り温かみを感じるような気がします。色合いや、写真中央の雪だるまのようなフォルムがその印象を与えているのかなと思います」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

鏡石町 賞
「青春の影」
【撮影場所】鳥見山公園
【撮影者】吉田 政孝

菅野「続きまして鏡石町賞です。舞台は『鳥見山公園』。四季折々の自然が楽しめる場所で、園内にはスポーツ施設や公園も併設されており、ピクニックや散策など幅広い用途で親しまれています。」

photo_booooy「写真を拝見するまでこの場所は存じておりませんでした。こんなに素敵な場所があるのかと気付かされました。紅葉している一本の木と、楽しそうに遊んでいる影が印象的です。写真の技術的にも、影が視線誘導の役割を担っていて、紅葉している木に集約されています。楽しさが伝わってくるポーズもいいですね。思い出に残る一枚だと思います」

菅野「影で五人の若者の青春を表しているのがいいですね」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

天栄村 賞
「光の降る森」
【撮影場所】古峰神社石塔
【撮影者】とくさん

菅野「続いては天栄村賞です。天栄村といえば英国風の庭園がある『ブリティッシュヒルズ』が有名ですが、今回の作品は初めて出てくるスポットが題材です。鶴沼川を古峰神社石塔の場所から撮影された写真で、フォトコンテストならではの“知られざる場所”が登場しました。横田さん、コメントをお願いします」

横田「この作品は撮影の時間帯の選び方が絶妙でした。この場所に可能性を見出して、しかるべき時間に訪れています。日中に撮ればただの川辺の風景となってしまいますが、光芒が差し込む瞬間を狙い見事に収めています。天栄村の新しい撮影スポットとしての可能性を感じさせる、とても印象に残る一枚でした」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

磐梯町 賞
「磐梯町舟引き祭り」
【撮影場所】磐梯神社
【撮影者】yabe51

菅野「続いては磐梯町賞です。舞台は『舟引き祭り』という伝統神事で、毎年3月に行われます。米俵を積んだ船を縄で引き合い、東が勝てば豊作、西が勝てば米の値段が上がるとされる伝統的なお祭りです。横田さん、いかがでしょうか」

横田「祭りの息遣いや臨場感が伝わる一枚です。コミカルな点は、大人の足がつるっと上がった瞬間を捉えていますよね。激闘のなかのハプニングというか、祭りのなかの瞬間をしっかりと収めていると思いました」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

猪苗代町 賞
「幽玄なる神秘の湖」
【撮影場所】猪苗代湖
【撮影者】児山 昭一

菅野「続いては猪苗代町賞です。こちらも猪苗代湖を捉えた写真になりました」

横田「猪苗代湖はこおりやま広域圏はもちろん、福島県全体でも象徴的な撮影スポットです。私自身も子どもの頃から猪苗代湖で泳いで育ってきました。そのなかでも、この写真に映っている『はくちょう丸』という船は非常に印象的な存在です。一度は廃業寸前になったのですが、継承されて今も湖上を運航しています。こちらの作品では、そのはくちょう丸をシルエットとして奥に入れ、立ちこめる霧と、ちょうど飛び回る鳥のシルエットを配置することで、とても印象的な構図に仕上げられています。猪苗代湖には朝昼夜それぞれに違う表情がありますが、そのなかでも朝の素晴らしい瞬間を捉えた、非常に印象に残る一枚だと思います」

菅野「ありがとうございます。ちなみに猪苗代湖には『はくちょう丸』のほかに『かめ丸』という船もあります。機会があればぜひ、そちらにも乗ってみてください」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

石川町 賞
「桜坂を共に」
【撮影場所】高田桜
【撮影者】miyasan._

菅野「続きまして石川町賞です。カメラ好きの皆さんにはおなじみかと思いますが、福島県は桜の名所が多く、石川町にある『高田桜』もそのひとつです。樹齢500年の立派な桜で、今回の作品では、この桜の下で親子が坂道を散歩している姿が収められています。まるで桜坂と呼びたくなるような風景で、瞬間をうまく切り取った素敵な作品です」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

玉川村 賞
「金毘羅桜と春の花々」
【撮影場所】金毘羅桜
【撮影者】mii_akkun

菅野「続いて玉川村賞です。こちらは樹齢約300年といわれる『金毘羅桜』と言うシダレザクラです」

横田「物語の一ページのようで、二人のお子さんと桜、そして手前の花が印象的ですね。現地に詳しいphoto_booooyさんからもコメントをお願いします」

photo_booooy「私も実際に訪れたことがあるのですが、こちらは実は個人のお宅のお庭なんですよね。本当に見事な水仙畑が広がり、その奥に桜があって、ご厚意で公開してくださっている場所です。すでに人気が出てきているのでご存じの方もいるかもしれません。このお写真を拝見した時に、青空・雲・桜・水仙、そして子どもたちが立つ姿、そのすべてが完璧に揃った一枚だと感じました。また、衣装を揃えている点もとてもストーリー性があり、大きな桜を二人で見上げる姿は、本当に記憶に残る瞬間を収めた素晴らしい作品だと思います」

菅野「ありがとうございます。福島県、特にこおりやま広域圏は桜が多いのですが、どちらかというとシダレザクラが多い印象です。もちろん他もありますが、写真映えするのはシダレザクラの方が多いですね」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

平田村 賞
「あじさい物語〜雨に咲く花嫁〜」
【撮影場所】ジュピアランドひらた
【撮影者】kyo_photo_t

菅野「続きまして平田村賞です。こちらは『ジュピアランドひらた』という場所で、ゴールデンウィークにかけて芝桜が一面に広がります。また夏にはあじさいやユリも咲きます。特にあじさいはほとんどすべての種類を見ることができることから『世界のアジサイ園』と呼ばれています。それではphoto_booooyさん、お願いいたします」

photo_booooy「『ジュピアランドひらた』といえば芝桜のイメージが強かったので、これほどあじさいが咲くんだと驚きました。今回の作品はモデルの女性を入れて撮影された一枚ですが、傘を差していることからもわかる通り、雨が降っているなかで撮られています。ただ、直射日光が当たらない分、あじさいのコントラストが抑えられて、主役である女性がより引き立って見えます。また、女性を画面の中心から少し右に立たせ、視線を左に向けることでノーズルームと呼ばれる余白をうまく活用しています。非常に技術的にも完成度の高い作品だと思いました」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

浅川町 賞
「春の夜に咲く」
【撮影場所】城山公園
【撮影者】くまゆ

菅野「続きまして浅川町賞です。こちらは『城山公園』といって、その名の通り昔お城があった場所です。ここでおこなわれる春の花火大会を撮影したものです。浅川町は花火だけではなく、水郡線という水戸と郡山を結ぶ鉄道もあり、何気ない風景、人があまり知らないような風景を写した作品が多かったです」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

古殿町 賞
「歴史絵巻」
【撮影場所】古殿八幡神社 古殿流鏑馬
【撮影者】門林美津江

菅野「続きまして古殿町賞です。毎年おこなわれる流鏑馬の大会の一枚です。去年も流鏑馬の写真が受賞しましたが、今年は去年とは違ったアングルですね」

横田「古殿町は流鏑馬の作品がとても多いので、撮り手の皆さんもアングルに試行錯誤されているんですね。そのなかで、この作品は構図の工夫が際立っていました。馬体よりも低い位置から射手を見上げるアングルで撮影し、迫力と躍動感を強調しています。これまでの入賞作とは一味違う切り口で、非常にダイナミックな一枚に仕上がっていると思います」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

三春町 賞
「庭紅葉の水鏡」
【撮影場所】真照寺
【撮影者】Yb(@kyc_photo7)

菅野「続きまして三春町賞です。三春町といえば滝桜が有名ですが、今回選ばれたのは滝桜ではなく、町内のお寺で撮影された紅葉の写真です。紅葉が非常に美しいスポットということで、地元の人ならではのスポットだと思います。photo_booooyさん、コメントをお願いします」

photo_booooy「三春町といえばやはり桜のイメージが強いと思うのですが、紅葉も素敵なんだということを皆さんに知っていただきたいです。水面のリフレクションに屋根まで映り込ませているというポイントも技術的に高いですし、私自身行ったことがない場所なので、シンプルに行ってみたいと感じさせてくれました。素晴らしい写真だと思います」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

小野町 賞
「満開の道しるべ​」
【撮影場所】夏井千本桜
【撮影者】niga713

菅野「さて、いよいよこおりやま広域圏17市町村賞最後の受賞作品です。写真好きの方は『夏井千本桜』をご存知かもしれないですね。町内を流れる夏井川に沿って、両岸5キロメートルほどソメイヨシノが咲き誇ります。約1,000本が植えられているので千本桜と言われており、県内有数の桜スポットです。こちらの写真は川そのものが見えているわけではないのですが、土手の高低差を上手く使っているのが印象的でした。ここまでで17市町村賞の紹介が終わりました。この作品のなかから最優秀賞を決めるキャンペーンを実施しておりまして、スマホから簡単にご参加いただけます。ノベルティもございますのでぜひご協力ください。続きましては、特別審査員お二人による作品を紹介していきます。まずは横田さんからお願いいたします」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

横田「一枚目は郡山市の日本大学工学部の校門で、桜の時期に撮影した写真です。実は私の祖父母の家がこの大学のすぐ近くにありまして、小さい頃から遊び場のように親しんでいた場所なんです。大人になってから改めて訪れると、桜の名所として本当に素晴らしいことに気づかされました。撮影した際、たまたま警備員の方が自転車で見回りをしていて、この時期は見回りも散歩のように心地よいのではと思い、その背中を追うようにシャッターを切りました。前ぼけに桜を入れ、春の華やかさが伝わる一枚に仕上がったと思います」

菅野「ありがとうございます。日大工学部は桜の名所として有名で、夜間ライトアップの一般開放もしていますので、ぜひ訪れてみてください」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

横田「二枚目は郡山市の日和田町にある八重椿です。樹齢が100年以上といわれており、福島県の緑の文化財にも登録されています。この写真は引きで撮ってしまうと背景の墓地まで写ってしまうので、思い切って望遠レンズで撮影しました。道にぽつんと生えているのですがそこだけ非常に華やかで、ぜひ訪れてほしいです」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

横田「三枚目は猪苗代湖で撮影した一枚です。この日は撮影時に偶然ラジコンクラブの方々に出会い、黄色いラジコン機が空を飛んでいました。望遠で切り取ると、奥には布引高原の風車群も見えて、風景にアクセントを加えることができました。湖と山並み、紅葉、そして人の営みのスケール感を対比的に収められた一枚で、猪苗代湖の多彩な魅力を感じていただけると思います。紅葉の季節には特に美しいので、ぜひ訪れてみてください」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

菅野「ありがとうございます。続きまして、photo_booooyさんの作品をご紹介いただきます。まず一枚目、お願いいたします」

photo_booooy「一枚目は郡山市の青松浜で撮影した、息子二人の写真です。時間帯は夕方六時半頃。遅くなってしまった帰り道に偶然、きれいな夕焼けが広がっていたので、急遽立ち寄ってシャッターを切りました。上の子は4歳、下の子は2歳。自然が好きで、この時も『シャボン玉をやりたい』と言ったので遊ばせていたところ、空のグラデーションと丸いシャボン玉の対比がとても印象的でした。磐梯山は雲で隠れてしまったのが少し残念ですが、子どもの成長を感じながら撮れた大切な一枚です。今回ブースにも展示していますので、ぜひご覧ください」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

菅野「ありがとうございます。photo_booooyさんといえば、ご家族と風景を組み合わせた温かみのある作品が印象的ですよね。続きまして、二枚目お願いいたします」

photo_booooy「二枚目は郡山市の舟津公園で撮影した、妻と息子二人の写真です。フォトコンテストの審査員を務めて五年になりますが、そのおかげでこおりやま広域圏の新しいスポットを意識して巡るようになりました。この舟津公園も「桜がきれい」と教えていただいて訪れた場所です。この写真は実は朝5時50分頃。家族みんなで早起きして朝の散歩に出かけると、満開の桜とスイセンが出迎えてくれました。前ぼけにスイセンを入れ、家族の楽しそうな様子を収めています。今回、縦バージョンは東京カメラ部10選のブースにも展示していますので、併せて見ていただけたら嬉しいです」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

菅野「最後、三枚目お願いいたします」

photo_booooy「三枚目は磐梯山の山頂から猪苗代湖を俯瞰した写真です。撮影したのは朝4時頃、水田に水が張られたばかりの時期でした。湖から水が湧き出しているように見える、不思議な光景が広がっていました。朝のグラデーションがとてもきれいです。実は前日の夕方に登って星空を撮影し、朝を待っていました。この日の朝は空気も澄んでいて、湖もはっきりと見え、感動しながらシャッターを切りました。天候次第では霞んでしまうことも多いので、特に思い入れのある一枚です。今回のトークショーでもぜひご紹介したいと思って選びました」

菅野「ありがとうございます。猪苗代湖周辺の写真が多いですよね。それだけ魅力的な場所だということですよね」

横田「水辺を撮るといわゆる『映える』写真が撮りやすいんです。逆に言うと、他の魅力をもっと探そうという気持ちも湧き出てきます。まずは猪苗代湖の周りで撮影をすると経験値がたまっていくと思います」

菅野「『魅力を伝える』とはどういうことか考えたときに、もちろん自分の写真を見てほしいという思いもあると思うのですが、その写真を違う誰かが見て、誰かがその場所を訪れる。その繰り返しが地域の力になるのかなと感じました。したがって、自分が住む地域だけではなく色々な場所に出かけていただいて、写真を投稿していただくとその地域が輝きます。そして評価が自分の元にも返ってくる。そういった好循環が写真の力だと思うので、皆さんにも写真を撮り続けていただければと思います」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

菅野「最後にすこしだけ郡山市の紹介をさせてください。昨年亡くなった俳優の西田敏行さんは実は郡山市の出身です。9月6日から28日まで、西田さんの軌跡を振り返る企画展を市内三会場でおこなっております。昔西田さんが出演された作品の写真やポスターなどを、郡山市立美術館、郡山市歴史情報博物館、タワーレコード郡山店にて展示しております。すべて無料ですのでぜひ足をお運びください。ちょうど昨日は特別イベントとして、宮藤官九郎さんと箭内道彦さんをお招きしたトークショーを開催しました。そしてトークショー後には、西田さんの母校の小原田小の児童と小原田中の生徒が『もしもピアノが弾けたなら』の合唱を披露しました。みんなで合唱をしたときに雨がざーっと降ったんです。西田さんが感動して涙を流してくださったのかなと感じました」

こおりやま広域圏「クローズアップこおりやま広域圏 〜伝えたい魅力〜」

菅野「こちらは『デスティネーションキャンペーン』です。来年4月から開催されます。JRなどと一緒に様々な企画を考案中なのでぜひいらしてください。ブースでは写真の展示はもちろん、お土産や特産品などを販売しています。ぜひ写真も食も魅力を感じてください。これで、本日のトークショーを終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました」

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