トークショーレポート

Talk Show Report

株式会社ニコンイメージングジャパン「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」

2024年9月20日(金)~9月23日(月·祝)、東京·渋谷ヒカリエにて「東京カメラ部2024写真展」が開催されました。開催期間中のイベントステージでは、人気フォトグラファー、写真業界関係者、歴代東京カメラ部10選などをお招きして、さまざまなテーマでトークショーが行われました。

9月22日(日)に行われたニコンイメージングジャパンのトークショーでは、東京カメラ部10選 別所隆弘氏、東京カメラ部10選 半田菜摘氏にご登壇いただき、「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」というテーマでお話しいただきました。

別所「まず自己紹介をさせていただきます。Z8のプロモーションに出たときのムービーです。僕は元々ニコンを使っていて、途中で他社メーカーを使い、また戻ってきたんです。出戻りなんです。戻ってきたときにこんなに格好良く撮っていただいて。持ち替えて撮るカメラの二刀流が話題になったそうです」

半田「私も格好良いムービーを撮影していただいています。NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VRのプロモーションに出たときの映像ですね」

別所「僕半田さんのことを今日はなっちゃんって呼びますね。なっちゃんは普段使っているカメラは?」

半田「私はZ9を使っています」

別所「僕はZ8。動画はZ6IIIを使うことも多いですね」

株式会社ニコンイメージングジャパン「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」

Z8 + NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S

別所「ではまずはカメラの進化と作品の変化についてお話をします。僕は夜景を撮ることが多かったんです。なぜなら仕事をしてから撮影に行くから、夜の写真ばっかりだったんです。このZシリーズになってから、明るくなったし派手にもなったんですね。理由はプロになったから昼も撮れるようになったということもあるのですが、輝度が変わったんですよね。カメラの話をするときって構図や色、場所、シャッターチャンスの話が多いと思うのですが、僕は輝度の話をしたいと思います。今回Zシリーズに帰ってきた根源的な違いになっているからです。白飛び、黒潰れってありますよね?みなさん気をつけていると思います。でも今日のテーマは『世界に白飛びは存在しない』です。見ている世界に白飛びって存在していないんですよ。白飛びを決めているのって人間だけなんですよね」

株式会社ニコンイメージングジャパン「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」

別所「その上の方の輝きを取り込んでいきたいと思って始めたのがこちらです。この写真もきれいだよね、というものだと思います。それに対してこちら。いま世の中で一番高いディスプレイです。一目瞭然ですよね。これが僕が今やっていることのほぼ全部です。さすがに太陽は少し厳しいところがありますが、それ以外の部分は白飛びしていません。もちろん黒潰れもありません。今までは写真上で抑え込む形で作っていたんです。上限はここ、下限はここ、と。新しくZ8から導入されたHEIF、高輝度写真。高輝度写真はHDRともいわれます。それだといままで明るいと思っていたところに輝度も色も乗っているんです。輝度というのは実は明るさではなく色なんです」

半田「輝度って明るさの話だと思うけど、実はそうじゃなくてそこに存在する色の話ってことだよね」

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Z8 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
※都合上HEIFファイルの掲載が難しいため、SDRの写真を掲載しております。

別所「もう一つ輝度といえば花火ですよね。白飛びも黒潰れもすぐする被写体です。いままでの、皆さんから見て右側のSDRディスプレイの写真しか見ていなかったら、人類はこれでもう満足してたんで別によかったんですよね。でも僕、神様が『光あれ』って言った理由がわかりました。しっかりとあるんだよね、ここに。僕はいまこういうのを探求してるんですよね。改めて左側のHDRディスプレイを見ると、今度は右のSDR写真の光が薄く見えますよね。鮮やかさもそう。左側の輝きをみんなもう体感しているんです。右側はまるで薄いフィルターがかかったみたいになりませんか?でもこれがいままでの常識だったんです。いまSNSでアップしている写真は全部右側のSDRです。なぜならSNSが対応していないからです。一般的なディスプレイも対応していないです。こうして対応しているディスプレイを準備すると左側のような結果になるわけです。いままでだったら全部白飛びという表現をされていました。ところが本当は飛んでいない。色も表現されている。これがZなら表現できるんですよね」

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Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
※都合上HEIFファイルの掲載が難しいため、SDRの写真を掲載しております。

別所「ローマで撮影した夕焼けの撮影です。夕焼けの表現っていままですごく制限されていたと感じる一枚です。何気ないワンシーンをここまで表現できる。写真は人間の認識を投影する先なんだと改めて思うんですよ。写真が撮っているものが真実と僕らは思い込んでいるのですが、実は違います。写真が写してくれるものを自分で理解して、その理解が真実や現実、この世界だと思い込むんですよね。これ両方同じ瞬間撮ってますよ。右のSDR写真と左のHDR写真はデータ一緒です。データは一緒。ところが表示するデバイスによって見え方が違うんです。8Kディスプレイで映し出しているのに少しフィルターがかかって見えるんですよね。やっぱり面白くて、こういうのを僕は今探求してるんですね」

別所「続いてなっちゃんのすごい写真を見てもらいます」

株式会社ニコンイメージングジャパン「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」

Z9 + NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S

半田「私は普段ネイチャーフォトや野生動物を撮影しているのですが、Zシリーズになって良かった点はたくさんあります。大きく分けて3つあって、まずいまは当たり前になったEVFです。一眼レフを使っている方は慣れないかもしれないですが、慣れたらもう手放せないです。高い山に登っていると太陽がギラギラしていて日陰がないんです。太陽の光が強いとコントラストが強くなるじゃないですか。そうすると、動物って胸毛が白い子が多くて、白飛びするんですよね」

別所「やっぱり覗いて撮ってる?」

半田「私は絶対ファインダーを覗きます。背面液晶を見て撮ることはほとんどないですね。EVFだと露出設定がすぐわかります。Zシリーズを使う前まではD850を使っていて、大好きなんですが、私は絶対マニュアル露出でしか撮らないんです。なので動物が出てきた瞬間に、咄嗟にISO感度やシャッタースピードを操作して撮るんです。それは感覚で慣れるしかなかったのですが、いまは露出がすぐ反映されて見えるので、直感的に撮影できます」

別所「しかもEVFの反応が早いよね。それでは次の写真にいきましょう」

株式会社ニコンイメージングジャパン「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」

Z9 + NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S

半田「2つ目のポイントがオートフォーカスの精度です。いままでだったら撮り逃していたと思うシチュエーションでも、3D-トラッキングの精度が良くて。エゾナキウサギというウサギで、ジャンガリアンハムスターくらいの大きさで、広い山のなかをすごい速度で走り回っているんです。高山植物がたくさんあるのでピントをとられやすいシチュエーションなのですが、ちゃんと食らいついてくれる」

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Z9 + NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S

半田「3つ目のポイントはサイレントシャッターですね。自然体な姿を撮りたいので、動物になるべく自分の存在を知られたくないというか、気にしないでほしいんです。なのでいままではシャッター音を煩わしく感じることがありました。公園で撮るなら良いのですが、そうではない場所だと1回シャッター音がしたらもう終わりなんです。逃げる子もいれば、警戒されて毛が立っちゃったりとか。緊張している姿勢が出てしまうんですよね。このときもお花と一緒にエゾシカを撮りたいなと思ってずっと待っていました。これを撮ったときのシチュエーションが次の動画です」

半田「テントを建ててひたすらこのなかで待っています。蒸し風呂みたいに暑いです。良い背景を決めて、ここに来れば良いなと思いながら待つんです。来るかなんてわからないですよ。極端な話、日の出から日没まで待ちます。15時間くらい。トイレも我慢するし、頑張って待っているのに、1回シャッター音が鳴ったらもう終わりなんです。いまその心配がなくなったので、すごくありがたいと思っています」

別所「僕には絶対できない。緊張する。というわけで我々がZシリーズを使ってどんな作品が撮れるようになったかということで。なっちゃんはZマスターだから全ての機能を完璧に使いこなしているよね。僕は一点突破型でとにかく高輝度を掘っていくやりかたなんです」

別所「次は作品とカメラの関係についてです。こだわりや作品のクオリティ、表現力をZシリーズがどう向上させていったかということをテーマに語りたいと思います。いままで以上に動画と写真の垣根がなくなってきたなと感じます。先ほどの写真の動画版です。この真ん中の部分、白く飛んでいるように見えますよね。実はあえて飛ばしています。カメラ上では白飛びをしていない、だけど実際に僕らがこの花火大会で体験するのは、目の前が真っ白になる状態なんですよ。つまり人間の認識能力で限界を超えるくらい輝いているので、カメラ上では押さえつけることができるんだけど、あえてしていないんです。白飛びっぽくしている。だってそれが見たときの僕の感覚だから。写真だったら白飛びになってしまうのでみんな避けてきたんです。だけど動画になった瞬間、それは一瞬の輝きとして去っていくから表現できると思った。それが最初に皆さんにお話しした、世界に白飛びは存在しない、人間だけが白飛びを感じるということの探究になっています」

別所「これまでは白飛びや黒潰れって悪だと思われていましたよね。それが光の上限だった。花火を撮っていると輝きってすごいんだなと改めて感じるんですね。今度はそれを写真ではなく動画でやりましょうと。なので今度はHDR動画というものを作りました。いままでの動画よりも一層明るく輝く動画になっています。黒い部分に階調が残っているのですが、なによりも光の上限がより輝くようになっています。先ほど高輝度を表現する場所が少ないと言ったのですが、動画は写真より先行しています。実はもうYouTubeで見られるんですよ。ただ、まだまだ手間がかかるので動画クリエイターも手を出していない部分です。写真家もあまりやってないんですね」

半田「こんなに色って残ってるんだ、こんなにカラフルなんだって思いましたね。花火を作る人が表現したかったのはこの色なんだって、いま泣きそうです」

別所「一人で部屋を真っ暗にして見ると、身が震えるような、『現場で見たのはこの輝きだ』と思えるのがこの動画なんですよね」

半田「末端の小さな点まで色付いて見えるよね」

別所「いままで僕らはこれを光を押さえつけて色を出してたんです。写真ではハイライトを落としていくと、色が出てきますよね。実は動画も同じです。輝度を押さえることで色がようやく出ていたんですよね。それは光を捨てることでもあるし、色を捨てることでもあります。それがZ8からできるようになったんです。いままで僕らが触れなかった領域を触れるようになっているカメラ。それがいまのニコンの一番面白いところです」

株式会社ニコンイメージングジャパン「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」

D810+ AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR

別所「僕の代表作です。ニコンの凄さを実感した1枚です。実は元々、僕はシャドウを研究していました。この場所は実際はこんなに明るくなくて、真っ暗なんです。でもニコンの当時のカメラ、D810はシャドウ領域の光をすごく拾ってくれるんですよ。だからシャドウに落ち込んでいる光を引っ張り上げて出したら写真がバズって、色々なところに呼んでもらえてプロになったのですが、同時に言われたことがありました。『こんなの写真じゃない、CGだ』と。人間の認識のなかで見られないから。でも僕はそのとき思ったんです。誰がそれを決めたの?って。光は存在しているのに。そのときから世界に黒潰れは存在しないと思っていました。闇のなかの光を見せてやろうぜって思ったんです。ニコンは黒側にこんなにも世界の光を微細に拾っていたんだと気づきました」

半田「昔一緒にトークショーをしたときも、別所さんはシャドウ部分を大切に持ち上げていて、黒潰れ部分も本当は残っているんだよと熱く語っていましたよね」

別所「その延長で今の世界に白飛びは存在しない、というテーマでHDRとHEIFに力を入れているんです。Zシリーズを使いながら作品が変化していった僕の歴史です。では続いて半田さんの作品を見ていこうと思います」

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Z9 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

半田「Zシリーズはバージョンアップをしてくれるので、1回買ったら終わりではなくて、その後も進化しているんです。野鳥モードという機能が入って、動物を撮る身としてワクワクするものでした。この機能を使って野鳥を撮ろうと思い、野鳥の楽園といわれる北海道の日本海側にある天売島に行きました。この子たちはウトウという海鳥です。80万羽が一斉に巣穴に帰ってくるんです。80万羽ってちょっと想像できないですよね。時速60kmで海から陸に帰ってくるんですが、その時間が日没で暗いので、撮るのが難しいんです。明るければシャッタースピードを上げれば良いのですが、速く飛ぶ小さい鳥なのでやはり難しい。これはZ9の野鳥モードで挑戦するしかないと思って、今年行ってきました。後ろの海の方が明るいのでピントが持っていかれそうなシチュエーションなのですが、撮れるんですよ。たまたま撮れた1枚をセレクトお見せしているのではなくて、たくさん撮れているんです。そのなかからお気に入りの1枚をセレクトしているんです。いままでだったら行って2〜3枚撮れれば上出来でした。なんなら他のフォトグラファーも来ているけど、1枚も撮れずに撃沈して帰っていくような場所なんです」

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Z9 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

半田「こういった良い写真をたくさん撮れるんです。ただ、やっぱり19時半くらいだともういよいよ暗いんです。NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sの解放F2.8でも厳しいかなとなったときに、NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plenaを使いました。ウトウはまだ飛んでいるけれど、これだけ暗いとフォトグラファーはもう諦めて誰もいません。でもこのレンズならずっと粘れます。シビアなシチュエーションだと機材に頼らざるを得ないときもありますよね」

別所「ニコンのレンズは描写の端正さと、動きに対する反応の良さというのも圧倒的だと感じます」

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Z9 + NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena

半田「こちらは元の写真から少しトリミングしたものです。動物に近寄れないシチュエーションが多いのでよくトリミングするのですが、暗くて難しいシチュエーションでもバッチリです」

別所「トリミングしたときにぼやっとしてしまうレンズもあります。それはやっぱりレンズの描写力の問題なんです。解像力と画素数の問題ではなく、レンズの描写力の問題。Plenaはニコンのレンズのなかでもぶっちぎりですごいよね。次もすごい写真だよね」

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Z9 + NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S

半田「チョウゲンボウという鳥で巣立ったばっかりで羽がしっとりしています。この子を今年の春は観察していました」

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Z9 + NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S

半田「農家さんが住んでいたお家に巣を作っていたみたいです。巣立ちを待っている雛の様子です」

別所「僕、写真に対して『絵みたい』という言葉はあまり好きじゃないんだけど、めちゃくちゃいい意味で、これは絵みたい。まるでなっちゃんが作者でこれを描いたような感じ」

株式会社ニコンイメージングジャパン「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」

Z9 + NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S

半田「ありがとう。実際巣立った写真がこちらです。どこにいるかわかりますか?ライトの上に止まっているんです。昔だったらアップでチョウゲンボウが止まっている姿だけを撮ったかもしれないのですが、最近は人工物を入れて撮ってもいいんじゃないかなと思い始めています。このお家に巣を作って巣立ったチョウゲンボウなので、あえて建物もメインで入れているんです。少し作風が変わったなと自分でも思いますね」

別所「なっちゃんの写真ってネイチャーへの賛歌というか、自然を大切にしている人間が撮っている印象だったけれど、こうやって人間との境界部分にも動物っているんだよね」

半田「そう。意外だと思う人もいるから、そういうことも伝えたくて」

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Z9 + NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S

半田「次の写真です。去年も発表した写真なのですが、これはエゾフクロウが休んでいて、その後ろに玉ボケとして写っているのが車のテールランプなんですね。工事現場の車が一斉に帰るときに撮影したのですが、SNSに載せたときに『フクロウって森の奥にしかいないと思ってました』というコメントをもらったんです。私は普段から見てるから知っているけど、みんなはそういう認識なんだと思いました。北海道って自然のなかに動物がいるのが魅力だけど、実は人間とも密な関係があるので、そういったこともリアルに伝えられたらなと思い、作品に落とし込んでいます」

半田「次は動画です。エゾモモンガがうんちをしている瞬間です。顔に雪が落ちてくるんですよ。奇跡ですよね。テントから見ていたときにエゾモモンガが出てきたので、録画ボタンを押したんです」

半田「次も動画です。スローモーションですね。ちょうど天骨に落ちているところが撮れています。実はZ6IIIのプロモーションのお仕事をいただいたときに撮れちゃったんです。Z6IIIってスローモーションでも大きく撮れるので、まつげについている雪も見えるんです」

株式会社ニコンイメージングジャパン「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」

Z9 + NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S

半田「次がシマエナガです。可愛いですよね。いまシマエナガはブームになっているそうです。これはZ9で写真を撮っていて、その横にZ6IIIを置いて動画を撮っていました」

半田「動画を流しますね。どこでシャッターを切ったか見てみてください。私、1日をこの数秒にかけてますから」

別所「先ほどお見せした花火ですが、人によっては36時間くらい場所取りで待つんですね。それでも9秒は撮れるんです。この瞬間は1秒もなかったですよね」

半田「そういう一瞬も逃さないということを言いたかったんです」

半田「ちなみにいまの映像はスローモーションにできます。シマエナガって日本で2番目に小さい鳥なんです。毛並みも細かく見えますし、目の上に黄色いアイシャドウみたいなチャームポイントがあって、それもちゃんと写っています」

株式会社ニコンイメージングジャパン「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」

Z6III + NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S

半田「Z6IIIで撮った写真です。これも止まっているように見えるかもしれないですが、一瞬でやって来て、こちらを見たら一瞬で飛び立っていくんですよ。1日粘っても正面を向いているのが撮れるか撮れないかという世界です」

株式会社ニコンイメージングジャパン「作品で感じるZシリーズの力~Nikon Creatorsが語る表現の舞台裏~」

別所「それでは最後に今日のお話のまとめです。ここまでZシリーズのカメラの素晴らしさや使用感の話をしたと思うんですけれども、Zシリーズが作る未来ということで、ここからどんな未来が来るのかという話もしたいなと思います」

半田「DMがお手元にあると思うのですが、10月に新宿のニコンギャラリーで個展を開催します。いまご紹介した写真と、ナショナルジオグラフィックから発売された写真集『カムイ』からの写真を41点展示する予定です。そのあとは11月に大阪へ巡回するのですが、別所さんをゲストに招いてトークショーをやります。今日みたいにざっくばらんにできたらと思います」

別所「大阪が会場なので突っ込みが鋭くなるかもしれないですね。僕のホームなので。色々なことを深堀りしていこうと思います。皆さん日本全国からぜひお越しください」

別所「お知らせもございます。ニコンイメージングジャパンの公式Instagramアカウント『@nikonjp』 があるのでぜひフォローしてください。また、本日使用したディスプレイがニコンプラザにございますので、表現力をぜひ見てみてください。高輝度写真や高輝度動画を映し出しています。なっちゃんも夕焼けの中を飛んでいく鳥を撮るタイミングで使ってみてほしいな。これからは雪も降るし」

半田「雪って真っ白だから白飛びしている部分が多いかもしれないですね」

別所「それが実は輝度も色も残っているということが表現できると思います。それではお時間になりました。本日はありがとうございました」

半田「ありがとうございました」





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登壇者プロフィール

Speaker Profile

別所隆弘

別所隆弘

フォトグラファー、文学研究者。関西大学社会学部講師。写真と文学の「間」の領域を探究している。近著『写真で何かを伝えたいすべての人たちへ』

半田菜摘

半田菜摘

1986年北海道旭川市生まれ。看護師として勤務する傍ら北海道の野生動物を撮影。著書「ピリカ」(A&F)、カムイ(ナショナルジオグラフィック)

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