トークショーレポート
Talk Show Report
2024年9月20日(金)~9月23日(月・祝)、東京・渋谷ヒカリエにて「東京カメラ部2024写真展」が開催されました。開催期間中のイベントステージでは、人気フォトグラファー、写真業界関係者、歴代東京カメラ部10選などをお招きして、さまざまなテーマでトークショーが行われました。
9月21日(土)、9月22日(日)に行われた Google Pixel のトークショーでは、プロ写真家 / #TeamPixel の別所隆弘氏と Google 合同会社プロダクトマーケティングマネージャー・田坂翼氏にご登壇いただき、「 Google Pixel と AI が広げるフォトグラフィーの可能性」というテーマでお話しいただきました。
塚崎「2018年に Google Pixel 3 が日本に上陸してから6年が経ち、今年は Google Pixel 9 が発売となりました。このステージではAIが実現するカメラの可能性についてお話を展開してまいります。また、2024年4月9日から6月12日までのあいだ、『日々の暮らしと Google Pixel と 〜My moment〜』をテーマとしてフォトコンテストを開催しました。その入賞作品の講評もトークショーでおこなっていきますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。それではご登壇いただきましょう」
田坂「みなさんこんにちは。はじめまして。 Google Pixel のマーケティングを担当しています。 Google Japan の公式インスタグラムで『 Pixel お兄さん』として Pixel の魅力をお伝えしたりもしております。本日はよろしくお願いします」
別所「東京カメラ部2014年の10選の別所隆弘です。実は Google Pixel 3 からずっと使い続けている古参の Google Pixel ユーザーです。今日、僕はプロの写真がどうのとかはどうでもいいです。もっともここで伝えたいことは、この会場の向こう側に展示されている『日々の暮らしと Google Pixel と 〜My moment〜』の入賞作品、とにかくそれをみんな見て帰って、とにかくそれです」
塚崎「わたしも Google Pixel 4 からのユーザーです。Android を使っており、その時に選んだのが Google Pixel でした。東京カメラ部で提案したライトアップがスマートフォンでも撮れるのか、というのを確認するときに Google Pixel を基準にしていまして、このようなご縁をいただきとてもありがたく思っています。でも、なぜ Google Pixel が東京カメラ部とご一緒してくださったのでしょう」
田坂「もともと、僕はとても写真が好きなんです。実は Google 入社前にカメラメーカーで働いていた経験があり、写真の魅力、1枚の写真が人々を感動させること、もっと言えば写真が記憶を蘇らせてくれるという点に魅力をずっと感じてきました。ただ、それと同時に、一眼レフのことを理解していくと表現の難しさという点も知りました。よく別所さんとも、写真というのは誰のためのものだろう、というような話をするんですね "一部の人だけが写真を撮る権利を持ってるわけではなく、全ての人がフォトグラファーになれるはず"だ と。今は誰しもがスマートフォンを持っていますが、 Google Pixel にはとても大事な考え方がひとつあります。それは『For Everyone』というもの。全ての人々のために作っていこうと考えているんです。今回の東京カメラ部とのコラボレーションイベントも、一眼レフとスマートフォンが競合ではなく、共存できる存在であり、よりフォトグラフィーを楽しむことができれば、ということを考えてやらせていただいております」
塚崎「それは嬉しいですね。わたくしどもは仁和寺をはじめとする国宝のお寺のライトアップなどを支援させていただいていますが、きちんとスマートフォンで撮影することができるのかという確認を Google Pixel でやらせていただいております。そのくらい美しく撮れるということをわかっていただくには、向こうでおこなわれている展示を見ていただくのが手っ取り早いですが、大伸ばしプリントをするために何か手を加えているなどと思われないために、今回はQRコードでデータを見ていただけるようにもしています」
別所「QRコードからアクセスし、ピンチアウトで拡大をし、隅々までデータを見ていただきたいです」
塚崎「ちなみに、わたしは Google Pixel 9 Pro Fold も持っています。この大きな画面で拡大をしても美しかったです。さて、今回のテーマである、スマートフォンと一眼レフの共存とシナジー効果について、別所さんにお話を伺っていきたいと思います」
別所「まずいま田坂さんが『For Everyone』とお話になっていましたが、まさにそれを感じるのは大学での授業なんです。僕は関西大学で授業を持っておりまして、もともとそちらが本業なんですが、その授業は『フォトグラフィー実習』という写真に関するものです。カメラを触ることができるので授業の倍率が高く、選考が必要で、そのために授業を受ける動機などをレポートに書いてもらうんです。僕の予想としては、カメラをすでに使っていて、より学びたいというような内容かなと思っていましたが、90%以上が『スマートフォンで写真を撮るのが好きなので』です。これが枕詞になっています。スマートフォンで写真を撮っていてすごく楽しい。だからより深く学びたいので授業を受けたいという人ばかり。いまやスマートフォンは、全ての人の写真の入り口なんですよね。かつて、一眼レフの販売台数が落ちたとき、それはスマートフォンによって食われているから、競合なんだという空気がありましたがそれは違うのです。若者は全員写真家です。というより全世界の人間が写真家です。スマートフォンですごくキレイな写真が撮れて、そこから写真の楽しさを知っていくというきっかけを作るのが、まさに Google Pixel なんですよね。 Google Pixel 以前はスマートフォンで高品質な写真を撮ることはできませんでした」
別所「この写真、 Google Pixel のどの機種だと思いますか? 9 でも 8 でもない。5 でも 4 でもない。日本に最初に来た Google Pixel 3 で撮っています。6年前に夜景モードが導入されたことで、スマートフォンで何をしても撮れなかった夜の12時間、1日の半分の時間も撮影ができるようになったんです。我々全員がスマートフォンで高画質に撮れる世界が訪れただけではなく、夜も記録できるようになった。いまや夜景モードを搭載してないスマートフォンはない。全部 Google Pixel の後追いです。いまやみんなが 24時間キレイに撮れるようになったということがこの1枚に表れています」
別所「これはスマートフォンだから『間に合った』1枚ですね。間に合ったというのはどういうことかというと、ここにいるガチ勢たちは可能な限りカメラを持とうとします。かといってずっと持ってるわけにはいきませんよね。なにせ重たいですから。でもポケットにスマートフォンがないときはない。これはウズベキスタンで撮った写真で、一瞬だけ強く雪が降ってきて、一気に溶けはじめました。水も一気に捌けはじめる。ポケットには Google Pixel があったので、水の中にバシャッと置いて撮影ボタンを押して撮りましたが、奥はすでに水が捌けているのがわかります。数分後には撮れなかったと思います。ポケットに入っていることによって、いつでも撮影可能な状態にしてくれる。でも、それがかつてのスマートフォンだったらまず夜は撮れない。それから画質が悪い。ポケットにあるのが写真機として高品質な Google Pixel であることで、旅の中でもこれが撮れるわけです」
塚崎「しかも水に強い」
別所「水の中に突っ込んでも大丈夫だし、洗えば大丈夫」
田坂「まさにこれは『コンピュテーショナルフォトグラフィー』をうまく使っていただけた写真だと思います。後ろの反射もそうですが、しっかりと色合いというところを自然に出していらっしゃると感じました」
別所「実際は結構キラキラと輝いているんですが、その部分をちゃんと人間が見ているような状態に最終的な仕上げまでおこなってくれるというのが、裏側で AI が走っているスマートフォンという気がします。 Google Pixel は AI が特に強い機種ですのでかっこよく仕上がるんですよね」
塚崎「写真好きな方だったらお分かりいただけると思うんですが、建物の水平垂直がすごくないですか?歪みますよね、普通は」
塚崎「次のテーマに移ります。 AI が実現する新たな写真撮影の可能性、こちらについて語っていきたいと思います」
別所「今も少し AI について触れましたが、この写真は会場にいる人たちがワオって思うような1枚だと思います。このような星の写真は、これまでは高価なレンズを搭載した一眼レフかミラーレスでしか撮れなかったんです。この写真ってちょっと見てほしいんですけど、まず人が立っていますよね?そして人はライトを上に向けて持ってます。こういう状態で星を撮るのは無理だと、経験したことがある方ならわかるはずです。なぜなら、20〜30秒露光しなければならないから。このときは4分間もライトを持って立ってくれていますが、ガチ勢なら気付くはず。なぜ人がブレていないんだと、なぜライトが揺れていないんだと。そして、よく見ると星は点描。点として写っているんです。これは本来、赤道儀に乗せて星の動きに合わせてカメラを動かしながら撮り、後から Photoshop 上で合成し、前景はあらかじめ別撮りしておいたものを重ねるという、いわゆる『新星景』という分野じゃないとできないことを、 Google Pixel ではシャッターボタンを押すだけで完成させてくれるんです。これぞ AI です」
田坂「もともと Google はソフトウェアの会社ですから、ソフトウェアのバージョンアップの過程で天体撮影モードという機能が搭載されるようになったんです。できなかったことをソフトウェアと AI の技術で可能にするのはおもしろさだと思います」
別所「夜景モードが最初に出たとき、星は撮れないだろうと思っていましたが、わずか1年で撮れるようになりましたよね」
塚崎「このような楽しさを知ると、写真をもっと深く追求したくなって、レンズ交換式のカメラを欲しくなりますよね」
別所「そうなんです、さらに表現を突き詰めたいと思う方が現れ、よりディープな写真の世界へと引き込まれる入り口に Google Pixel がいます」
別所「これも美しい1枚ですが、次の1枚と比較してみていただきたいです。複数の個所に異なる部分があります。何を使っているかわかりますよね?」
田坂「そう、消しゴムマジック。 Google Pixel 8 から導入された機能です」
田坂「このトークショーが始まる前に、僕と塚崎さんと別所さんと撮ったんですが、後ろに人物が写っていますよね。消しゴムマジックを押すと、 AI がその人物を発見し、僕ら3人ではなくて背景にいる人がこのように消えます。これは背景の壁を AI がしっかりと認識した上で、こういう色で塗ろうと判断してくれるんです。だから、撮影地に行くと人が多いときがありますが、そんなときにも有効です」
別所「よく田坂さんとは一緒に撮影に出掛けますが、風景写真勢の方はわかると思いますが、最高のタイミングというときになると、ベスポジに人が滞留しがちですよね。最高の時間はわずか数分。人が滞留していくと大渋滞が起こり、そのうちに最高の瞬間は終わっていきます。ずっと思っていたんです。だったら Photoshop で人を消せばいいじゃないかと。みんなハッピーですし、いいじゃないですかそれで。そこで、消しゴムマジックを使ってみると、絶景写真地での滞留問題やマナー問題というのは、消しゴムマジックでキレイに消えれば解決しますし、三脚も使わずにサッと撮るだけですしね」
塚崎「伝統的な風景写真のように、三脚で撮らないとダメであるとか、人を入れてはいけないという価値観もあっていいと思います。ただ、混んでいる観光地で、それは本当に今やるべきことですかと。僕は違うと思うんですよ。見る人が本来はメインであって、撮るための場所じゃない。撮らせていただいているだけですから。さらに嫌なのは、どかない、人が来たら怒る。いまは情景ポートレートというジャンルも活発で、風景の中にモデルさんを入れて撮るのも流行していますが、風景を撮っている人にはモデルさんがいると邪魔になる。そしてケンカになる。そういう面からも Google Pixel の進化というのは素晴らしいことですよね」
別所「みんなが良い写真を撮れるようにしてくれたのが Google Pixel だし、新たな撮り方を教えてくれた端末です。田坂さんが最初におっしゃっていたとおり『For Everyone』なんですよね」
別所「北海道美瑛町の『クリスマスツリーの木』ですね。とても有名な場所。2枚写真が並んでいますが、1枚は僕が撮った写真、もう1枚は田坂さんが撮っています。すごくいいな、と思っているのは、これはふたりで並んで撮っているのですが『プロ設定』というものを僕は使っていて、そのとおりに田坂さんも設定したら、この写真のように撮れたんです。これがデジカメだったとすると、カメラメーカーも違うしレンズも違うはず。僕は高価なレンズを持っているけれど、もうひとりは初心者だったら機材に違いが出ますよね。設定を同じにしようと言ったところで同じように設定できない。 Google Pixel だったら設定も撮り方も同じだし、このような場所でそれを共有することで交流も生まれてくるんですよね」
田坂「撮影をしたときの楽しさの記憶、そしてボタンひとつで自分もこういう写真が撮れたという喜びを、写真を見返すと思い出します。まさにそういう経験をした方に、良い性能のカメラを買おうというきっかけが生まれればいいなと思っています」
別所「かつては一眼レフを難しいと感じた方も、またカメラを手に持って表現してくれるかもしれないし、逆に僕のようなプロがここまで撮れるんだったらと、スマートフォンを使って本気で撮ってみようとかにもなりますよね。そんなシナジーは生まれてくると思います。やはり『For Everyone』。みんなに表現の機会を与えてくれる端末ですよ」
塚崎「良い成績を取ることができて褒められると、その教科を好きになる。そんなことが起きているのだと思います」
別所「僕とチームで動いていると、メンバーはみんな写真が上手くなっていくんですよ。田坂さんもとても上手くなってる」
塚崎「続いて、 Google Pixel の『プロ設定』が開く、新たな可能性についてお話を伺いたいと思います」
田坂「これはおもしろい機能です。わたしたちは、ユーザー様やプロの方の声を大事にしております。このプロ設定は、 Google Pixel 8 から搭載された機能で、シャッタースピード、ピーキング、ISOなど、プロのカメラ機材でできるような設定をすることができます。ポイントは、開発の段階でプロのカメラマンの方々に、どのようにしたらプロ目線でも楽しめるかという観点でお話を伺い、開発した機能だということです」
別所「じゃあカメラで撮ればいいじゃないか、という疑問を持つ方もいると思いますが、そのとおりだと思います。使わなくてもいい、という機能がプロ設定なんです。ただ、プロ設定がなければ撮れない写真が存在するんです。例えばこれ。16秒の露光設定で撮っています。そうでないと川の流れをこのように表現はできません。今までのスマートフォンではここまで細かく設定はできませんでした」
別所「次の写真はホタルです。ホタルをスマートフォンで撮ることは今まで無理でした。これもプロ設定があるからこそ可能になった表現です。でもプロ設定を使わなければ良い写真が撮れない、ということではないです。それは、ここまで紹介してきた写真のほとんどは使っていませんし、展示作品の半分はプロ設定ではないことからもわかっていただけるかと。でも使えば撮れる。スマートフォンとカメラの表現の可能性を繋ぐ架け橋のような存在。今までは断絶していたので、プロが望む設定ができなかったからです。我々プロは細かい生物なので、シャッターの秒数にこだわるんですよね。だけどそれができなかった。じゃあカメラを使おうと。そこがシームレスになったのは素晴らしいですね」
田坂「実はプロ設定に辿り着くまではちょっと階層があるんですね。それは間違って使わないようにするためですが、楽しみ方の幅を拡げるというのはわたしたちの理念の中で大切なことだと考えています。それにしてもホタルの写真は素晴らしいですね」
別所「花火というのは、最も暗いものと最も明るいものの両方が同時に画面に訪れるという、写真においてもっとも技術と経験が必要な被写体です。スマートフォンではこれまで撮ることができませんでした。なぜならシャッタースピードを設定できなかったからです。点になってしまうんですよ。花火は点の連続体で、シャッターを長く開くことによって、それが火線になるんですね。NDフィルターを使うこと、プロ設定で設定を追い込むことで、ようやく撮影が可能になりました。『For Everyone』の中には、我々プロも入っているんだなとうれしくなりましたね」
塚崎「花火は、どこに上がり、どのくらい広がるかなどは完全には予想できないですよね。風の具合でも変わりますから。ですから秒数設定が重要になりますが、あまりにも長くシャッターを開けると露出オーバーになってしまいます。でも短いと暗くなってしまう。シャッタースピードを任意で設定できないと、自分の写真にならないわけです。同じ場所で撮影をしても、撮影者ごとに写真が変わるのは秒数設定が異なるからです。それが Google Pixel ではできるんです」
田坂「色合いも素晴らしいですよね。別所さんから写真を送られてくると、ときどき『これ Google Pixel で撮ったんですか?』って聞いてしまうことがあったり(笑)」
別所「ピクセルおにいさんに、そう言わせるっていいですよね(笑)」
田坂「 Google Pixel には『リアルトーン』という技術がありまして、色の再現率というものを、人肌や目で見た色をクラウド上で分析をしてから出す作業を AI が裏でやっているんですよね。別所さんの設定に加えて、 Google Pixel の AI のサポートというものが加わって、このようなキレイな写真が撮れるんだと思います」
別所「デジカメで撮った後のRAWデータって人に見せられます?なかなか難しいですよね。お化粧前のような感じで。でも Google Pixel で撮った写真は最初からバチンという写真なんですよ。花火を撮ったときも、凄腕の方々が驚いていましたからね。完成形が前に出てくる」
塚崎「フォトコンテストの入賞者の講評に入りたいと思います。入選された方、手を挙げていただければ幸いです。その方々の作品を中心にお話ししていきましょう。まずは佳作受賞作品からです。」
佳作
『移ろい』
yukkeyさん
田坂「こちらは『移ろい』という作品です。色が美しいですよね」
別所「彼は小学校まで一緒の地元の後輩なんです。家も歩いて5分。でも、アカウント名は伏せて審査はしているのでヤラセではないですからね。名前を見て驚きました。彼の特性はわかっています。全ての色にものすごいこだわりがあるタイプ。リッチなシャドウを使う方です。どう? Google Pixel 使ってみて」
受賞者「 Google Pixel 、最高です!」
田坂「言わせてしまった感がありますね(笑)。 Google Pixel のリアルトーンの良さが見事に出ていると思います」
別所「写真表現になっていますよね。桜だけでなく、水面の散った花びらも繊細に写していて、 Google Pixel でアートをやっている人がいる、と初見で思いました」
佳作
Color your life with Google Pixel.
@lulu_mie_reさん
田坂「マクロ作品もいいですよね。 Google Pixel ではマクロ時にも物理的な距離を計算して補正分析をするので、このように鮮明なマクロ写真も撮ることができるんです」
別所「マクロは僕らの仕上げよりは Google Pixel のJPEGに負けますね。RAWからここまでのものにはならないです。もっとも先端の技術が詰まったマクロ撮影の素晴らしさを、1枚の写真で余すところなく伝えているところが素晴らしいです」
塚崎「ここまでの接写をカメラでするのは、三脚にカメラを固定しても無風であることはほぼなく大変なんですよ」
別所「僕もカタログにマクロの写真を掲載していただいていますが、この1枚を見て驚愕しました」
佳作
トンネルの先には…
Erika Inokuchiさん
別所「これこそスマートフォンで撮るような写真だと思いませんか?こういう撮りたいなというタイミングでカメラを持っていることって少ないじゃないですか。でも Google Pixel を持っていれば作品として仕上げられるんです。これは望遠2倍などを使っているんじゃないですかね。多少圧縮効果が出ていますよね」
田坂「でも、奥の滝の水は流れが筋状になっていませんか?」
別所「そうなんですよ。たぶん1/5秒とか、少しスローシャッターにしていると思うんですね。それを瞬時に設定できるというのが Google Pixel のプロ設定ですよね」
塚崎「地面スレスレできっと構えていますよね。 Google Pixel なら汚れても水で洗うことができますから、撮り方などにも強みがあると思います」
佳作
銀河行き始発駅
たにさん
塚崎「いやあ、天の川ですよ」
別所「天の川をスマートフォンで写すと、本当にいまだにスマートフォンで撮れるんですか?って言われますね。撮れるって言ってるのに毎回言われますね」
田坂「下から煽るアングルで撮っている点もいいですよね」
別所「ガチ勢の撮り方ですよ。ガチ勢が本気になったらすごいはずなので、ぜひ見てみたいですね。ガチ勢の技術的要請にも、一般の人の毎日の生活にも応えられる。本当に『For Everyone』ですよ。」
塚崎「こういう優れたスマートフォンがあると、みなさんの近所にまだまだ眠っている絶景が掘り起こされ、この世の中は捨てたものじゃないという感じになると思います」
田坂「最近はスマートフォンでワクワクするということがあまりないと思うんですけど、 Google Pixel は可能性や表現が広がる助けをしてくれる存在で、写真との相性の良さは抜群だと思います」
佳作
春の祭典
ron._.stagramさん
別所「こちらは超広角レンズをお使いですね。最近の Google Pixel はレンズが増えましたが、それぞれのレンズで良い出力をしてくれます」
田坂「使用機材は Google Pixel 7 とのことです。ということはまだプロ設定は未搭載ですね」
別所「指先1本で撮ってきた写真がここまでの表現力を持つことができる。風景写真家的に言うと、桜の色の表現力がリアルトーンで素晴らしいと思いますね。桜、ネモフィラ、青空の3層の色のカラーバランスの分離がうまい。ふつうのカメラより分離しているかもしれない。しかも超広角」
田坂「周辺部も良い描写をしていますよね」
塚崎「ここまで空を広く写すと、通常は空の明るさに引っ張られて手前のネモフィラは暗くなってしまうんです。もしくは手前に明るさを合わせることで空が白飛びをしてしまう。でも両方写っている。人間の目の合成のように見事な補正をしていますよね」
別所「これこそが現地で見たかった1枚、見ようとしている1枚ですよね」
優秀賞
Parallel
こすげまさとさん
塚崎「ここからは優秀賞の講評です」
別所「言っていいですか?これ Google Pixel で撮ったんですよね?素晴らしい作品ですね。このモヤ感が昔のスマートフォンでは出ません」
受賞者「これはJPEGのものを提出しました。RAWで撮影していたのですが、RAWから編集をしようとしたところ、ピントの甘さが気になってしまい。でも、JPEGは AI の処理が施されていたのか、ピントもしっかりと修正されて輪郭が出ていて、JPEGのデータを使うことにしたんです」
別所「そうなんですか!JPEG処理が素晴らしいんですよね。派手な生成AIのようなものではなく、裏側では人間の労力を抑えてくれる動き方を AI がしているんだなというのは Google Pixel を使っていると感じます」
田坂「まさにシナジー。このリフレクションも最高ですね。お使いになった機種は何ですか?」
受賞者「 Google Pixel 6 です」
別所「3年前の機種ですか、すごいですね」
優秀賞
この時間よ、永遠に続け
山田 龍弥 (あーる/T.yamad)さん
別所「こちらも素晴らしいですね。え、これも Google Pixel 6 ですか」
田坂「ぜひ Google Pixel 9 も使ってみてください。とても進化していますので」
別所「写真としての表現が素晴らしい。リーディングラインで目線を引き、その先に人物がいるという構図。作品として撮っているということが明確にわかります」
田坂「手前のボケ感も素晴らしいですね」
別所「さすが見ている場所がいいですね。あともうひとつ、背景の夕焼けの階調性も素晴らしい。色と光がなだらかに夕焼けを形成していますよね。白飛びもうまく抑えられていますし、シャドウ部の階調も残っています」
塚崎「カメラは明暗差が激しいと、通常どちらかに引っ張られてしまいます。人間の目は優れていて、1秒に3回違う場所を見て、その度にレンズでいう絞りを変え、それを合成して見ています。つまりHDRを人間の脳はやっている。それを Google Pixel の AI もやっているから、自然な写真として感じるのだと思います」
別所「人間への理解がありますよね」
田坂「まさに大切にしているポイントです。当たり前の生活の中で、この Google Pixel が人間の感性と一緒になるということが大切だと感じています」
最優秀賞
独創華火
うえさん
別所「そして最優秀賞はうえさんの『独創華火』。これはよくぞまあ。さすがです、おめでとうございます。花火にチャレンジしているのが、まさにカメラガチ勢という感じですよね。花火は難しかったですか?」
受賞者「難しかったですが、ふだんカメラで使っている設定をすることができたので撮れました」
田坂「ガチ勢の方々も楽しめるのが Google Pixel です。手前の波の表現が素晴らしいですよね」
別所「プロは花火そのものの表現も目指しますが、周囲を風景写真として機能させることを考えるんですね。この写真は手前の波の反射と揺らぎ、そして奥で立っている人物の描写があってこそ。波、人のシルエット、花火が前景、中景、遠景と3つのレイヤーで構成されていて、写真作品として完成されています。ガチ勢によるガチの技ですよ。最優秀賞にふさわしい1枚です」
塚崎「近年、花火の写真は進化をしていて、花火だけを撮っていればいいという感じではなくなっています。どの花火を撮っても同じに見えてしまい思い出にも残らないので、風景と共に撮るようになっていきました。それは別所さんが開拓されましたね」
別所「開拓というより、そういう流れだったんでしょうね。まさにこの写真も再現できないような花火写真として完成していますよね。人も入れてきていますからなんというテクニカルな1枚だろうと」
塚崎「花火の撮影は時間設定がポイントですが、花火を火線として撮りながら人も止めて写しています」
田坂「やはりそれもうまく AI が補正してくれているのだと思います。 Google Pixel の人物の認識能力はとても高いですね。あとノイズ感の少なさも AI によるところは大きいです」
田坂「まさに『For Everyone』という点もそうですし、スマートフォンを通じてワクワクして写真を楽しみたいということは目指しているところです。これらの作品を見て改めてそう思いましたし、写真は誰のものでもなく全員のものだなと感じました」
塚崎「そろそろお時間が来てしまいました。本日は楽しいお話をありがとうございます」
*Pixel は、Google LLC の商標です。