東京カメラ部の2021年について
私たち東京カメラ部は創立以来「カメラがある暮らしをもっと楽しく」を目指しています。2021年も変わらずこれを目標に活動をしてきました。
9回目の開催となった東京カメラ部写真展2021。2021年こそは2019年度のような大規模会場での展示を目指して、社内外、各種調整を試みてきましたが、依然として厳しい社会情勢を鑑みて、昨年に引き続きオンラインでの開催とさせていただきました。
展示作品は、「10選2020」に選ばれた作品に加えて、その作品を撮影した「10選2020」メンバーの他の作品、「10選2019」「10選2018」「10選2017」「10選2016」「10選2015」「10選2014」「10選2013」「10選2012」メンバーの作品。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により甚大な被害を受けた日本全国の名勝地、観光業の支援も視野に入れたフォトコンテスト「日本写真100景<四季>2021」の入選作品や、多様な視点で見つけた日本の魅力を発信すべく海外にidentityをお持ちの方を対象に開催した「Japan Travel Gallery Photo Contest 2021」の入選作品、「写真で表現するあなたの世界」をテーマとしたTwitterフォトコンテストの受賞作品などを加え、約736作品の展示を行いました。
2回目の試みとなるオンライン写真展は、展示者の皆様や協賛企業の皆様のご協力もあって、開催期間中に多くの方々にご覧いただき、昨年を大きく上回る162万PV超となりました。心から御礼申し上げます。
東京カメラ部10選2021について
こうした取り組みや、写真のチカラを活かした地方創生、被災地支援、写真マナー問題への取り組みなどを評価いただけたのか、今現在も東京カメラ部は成長を続けています。東京カメラ部とその分室は、ファン総数540万人を超えて、多くの写真愛好家の方々から、2021年末までに延べ4,250万作品もの作品を投稿いただけました。この約4,250万作品の中から運営がシェアさせていただいた作品を延べ11億人超*の方々がご覧になり、「いいね!」、コメント、シェアをした結果選ばれた作品が東京カメラ部10選2021です。
つまり、約4,250万作品から延べ11億人が選んだ作品が東京カメラ部10選2021なのです。
東京カメラ部10選2021に選ばれた方々には、昨年同様に自身の写真を大型プリント、裏打ち、額装をしてプレゼントいたします。そして、「東京カメラ部2022写真展」(開催可否・詳細未定)が開催となりましたら、10選に選ばれた作品に自信作・新作を追加し、合同個展として展示させていただきます。
「東京カメラ部2022写真展」について詳細は依然として未定ですが、2019年までのように再び会場でプリントを展示して、みなさんと集まり、交流し、多くのお客様を迎える…。そんな場を復活させようと取り組んでおります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を前に人類の連帯が試されている中、合理的には「ありえない」と言われていた騒乱が引き起こされ、ますます世界は混迷の度を深めています。「ひとは合理的には生きられない」という考えが正しいという状況証拠をまざまざと見せつけられ、信じてきた倫理のひ弱さを痛感して、我々人類が長い歴史の中で蓄えてきた学びが足元から崩れていく恐怖を感じる日々が続いています。もはや、撮った写真を見せて「世界は美しい。」と公言することが苦しくすら感じるときがあります。
しかし、それでもです。いや、それだからです。わたしたちは、自らの意思と感性と技術によって写真を撮り、その写真を発表し続ける必要があると思うのです。なぜならば、写真を愛するわたしたちは、写真という趣味を通じて、写真を撮ることが、世界と向き合うことであり、その世界の中から何かを見つけ出す行為であること、「写真との出会いは、世界との出会い」であることを知っているからです。確かにこんな時代ですから、見つけ出すものは、暖かく、美しく、愛おしくあるものばかりではありません。冷たく、醜く、厳しくあるものもあるでしょう。それでも、それらを見つけ記録し後世に伝えていく。そして、その記録を通じて、わたしたちは、再び、学びあい、育てあい、理解しあって、互いに寛容な社会を作り上げていくことができるのではないでしょうか。
はたして、どんな写真が「2022年。日本に住んでいる方々が見たかった、好きだった写真」になるのでしょうか。今からワクワクしています。カメラがある暮らし。私達は本当に愛しています。「だから、世界は美しい。」と再び胸をはって子どもたちに伝えられる、そんな日をいまでも夢見ています。
東京カメラ部写真展や東京カメラ部とその分室の日々の活動を通じて、この感動を皆様と一緒に楽しめれば、そして今日もこれからもカメラを片手に未来に向かって皆様と一緒に着実に進んでいければと願っております。今後とも東京カメラ部をどうぞよろしくお願いいたします。
2022年3月吉日
東京カメラ部運営代表
塚崎秀雄
*:東京カメラ部とその分室がタイムラインで紹介している作品の2021年延べリーチ(閲覧者)数(Facebook、Instagram、Twitterインサイト)に基づく。