富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」



2017年4月28日(金)~5月6日(土)、東京・渋谷ヒカリエにて「東京カメラ部2017写真展」が開催されました。開催期間中のイベントステージでは、人気フォトグラファー、写真業界関係者、歴代東京カメラ部10選などをお招きして、さまざまなテーマでトークショーが行われました。

4月30日(日)に行われた富士フイルムのトークショーでは、東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏、富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営 塚崎氏にご登壇いただき、「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」というテーマでお話しいただきました。

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

塚崎「本日は東京カメラ部10選の原さん、KAZUさんのお2人に、どういったきっかけでXシリーズと出会ったのか、魅力はなんなのか、どうしてXシリーズで撮り続けるのか、そういったことを語っていただきたいと思っています。まずは原さんお願いします」

原「数年前『Xシリーズ写真展』の第1回目が開催されるということで、それに写真を提出するためにX20を購入したのがXシリーズとの出会いですね。元々一眼レフやミラーレスは持っていたのですが、もっと気軽にスナップを撮りたいと思ったのがX20を選んだ理由です。この写真は実は床の模様が『X』になっているんです(笑)」

岡田「今お話にありましたが、われわれ富士フイルムは2013年から『Xシリーズ写真展』という写真展を開催しております。Xユーザーの皆さんの作品を全国6カ所にある富士フイルムのフォトギャラリーで展示させていただくというものです。今はSNSで写真を楽しむという方も非常にたくさんいらっしゃいますが、写真をプリントで見ていただく機会を作りたいという思いで、半年に1回開催しています。応募するときはデータをアップロードしていただくだけなのですが、展示の際はわれわれの方でプリントをパネル貼りした状態にしているんです。ご自身の家に飾っていただきたいという思いもあり、約半年間をかけて6箇所のギャラリーを回ったあとは、撮った方のお手元にプレゼントしています。こちらは無料で参加できます」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

塚崎「続いてKAZUさん、Xシリーズとの出会いを教えてください」

KAZU「僕は普段は風景をメインに撮っているのですが、Xシリーズを使ったスナップ撮影に興味があって前から気になっていたんです。そんなとき運良くX-T10とXF18-55mmF2.8-4 Rのモニターに当選し、使わせていただいたのがXシリーズとの出会いです。実際使ってみると手軽に写真が撮れてJPEGの書き出しがすごくきれいというところが気に入って、モニターで使用していたX-T10を返却したあとX-T1を購入しました」

岡田「KAZUさんにも2016年に『Xシリーズ写真展』にご応募いただいております。数あるカメラのなかからXシリーズを手に取っていただけたので、せっかくなら撮ったあとにも色々な楽しみ方をしていただきたいという思いで、このような活動をしているんです」

塚崎「カメラを買ったあとにも展示のフォローや楽しみ方のオプションをご提示されているということですね」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

塚崎「これからは原さんの作品を拝見させていただきながら、原さんが感じられているXシリーズの魅力をお伺いしたいと思います」

原「以前XF10-24mmF4を試してみたいと思い、レンズモニターに応募したところ当選したんですね。でも実はそのとき本体を持っていなかったので思い切ってX-T1を購入して撮影した一枚です。カメラを塀にかかるくらいまで上に持ち上げて、水平になるように気をつけて撮りました。僕はちょっとでも水平垂直がずれているのが気になってしまうので、こういった建物の写真は線がまっすぐ出ることが大事だと思っています。このレンズは歪みが少なく、あとで補正するのにもほとんど苦労しませんでした」

岡田「Xシリーズが発売されてからまだ6年ほどしか経っていないのですが、逆にいうと今ラインアップされているレンズは全てこの6年以内の設計されたものであり、すべて最新の技術が搭載されています。またミラーレスのために専用設計したレンズでもありますので、センサーに合わせた解像感の表現や、絞り開放でのシャープネスなどにはかなり気を使って作られています」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

原「夏の終わりがけに行った大磯の海での一枚です。レンズはXF35mmF1.4で撮影しました。“神レンズ”と呼ばれるだけあって解像度もいいですし、被写体が画面の端にいても問題なくピントが合いましたね」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

原「こちらはブラケット撮影をしてあとからHDR合成をしています。14bitの階調を持っているRAWデータを使用すると有利だと思いますね」

塚崎「富士フイルムさんのカメラはJPEG撮って出しが美しいという風に言われていますが、RAWで加工することについてはどう思われますか?」

岡田「確かにわれわれも"撮って出しでキレイ"というメッセージを出させていただいておりますが、撮って出しといっても初期設定状態で使っている方はほとんどいらっしゃらないと思うんです。皆さんホワイトバランスやシャドウ・ハイライトなど、細かい設定を変えていらっしゃると思うんですね。要は撮影スタイルによるもので、JPEG撮って出しを好まれる方は撮影をするときに環境を追い込んで、シャッター1回の緊張感を大切にしているんじゃないでしょうか。逆にRAWでの14bitの階調を生かした作品づくりは独創性が生かせるところだと思います。カメラとしてJPEGとRAWの両面がしっかりすれば、全体がハッピーになるんじゃないかなと思っています」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

原「こちらはXF56mmF1.2 APDで撮影した一枚です。逆光で撮っていますがフレアやゴーストは見られず、諧調も美しく抜群の解像感です。素晴らしいレンズだと思いました」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

原「ここからはX-T2を使用して撮影した写真です。X-T2はファームウェアをアップデートすることで、今まで±1EVで3ショットだったブラケット撮影が、±3EVの9枚まで撮れるようになったんです。ワンプッシュでそれだけ撮れるのはすごいですよね。この写真は±2EVで5枚撮影しました。シャドウ側もきっちり出ているし、ハイライトも街灯が白く飛ぶこともなくしっかり出ています」

塚崎「今ファームアップと原さんがおっしゃいましたが、これはどういうことでしょうか?」

岡田「カメラに入っているプログラムを随時アップデートしているんです。普通、カメラを買ったときから機能はなかなか進化しないと思うのですが、われわれは発売以降もどんどんファームアップをしていまして、買ったときには入っていなかった機能が使えるようになるんですね。例えばX-T1は現在バージョン5.1なのですが、バージョン1の頃と比べるとほとんど別のカメラと言ってもおかしくないほど進化しています」

塚崎「X-T1は今はもう販売終了しているのに機能が進化するってすごいですよね。ユーザーはファームアップにお金を払う必要はあるんですか?」

岡田「ユーザーの皆さんはファームアップは無料で行えます。われわれは開発にお金がかかっているんですけどね(笑)富士フイルムとしてはカメラを長く使っていただきたいという思いがありますので、買っていただいたあとも出来る限りのフォローアップをしていきたいと思っているんです」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

塚崎「原さん、ありがとうございました。続いてKAZUさん、作品を見ながらお話を伺いたいと思います」

KAZU「僕は長崎県佐世保市に住んでいるのですが、佐世保は海岸がすごく多いんですね。潮が引いたあとに波が残して言った砂紋を撮りました。ちょうどいいところに置いてある貝殻は手で持ってきました(笑)夕陽が上から差していたので、フィルムシミュレーションのモノクロで黒と白の明暗差を表現したいと思った1枚です」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

KAZU「普段こういった写真はあまり撮らないのですが、Xを持っているとスナップを気兼ねなく撮りたくなったり、ハイキーの写真にも挑戦したくなるんです。自分の中でも新しい発見ができました」

塚崎「KAZUさんはRAW現像はされますか?」

KAZU「僕は気軽に写真を撮りたいという目的があるので全てJPEGで撮っています。もう一味付け加えたいと思ったときにパソコンでシャドウとハイライトを簡単に処理することはありますが、軽いデータでサクサクたくさん撮る感覚ですね」



富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

KAZU「これもJPEGで撮って後からシャドウだけ調整しています。XF16mmF1.4 Rを使用して開放で撮影したのですが、天の川が写っているんですよ。きれいに表現することができたと思います」

岡田「Xシリーズは星の赤の波長が良く写るということで、星を撮る方にも非常に好評をいただいています。このXF16mmF1.4 Rはコマ収差が非常に少なく、星景撮影に最適ですね」

塚崎「写真を撮る方全員がパソコンで写真を加工するわけじゃないと思うんです。それでも十分美しい作品が撮れるということですね」



富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

KAZU「連写機能を試してみたくて、菜の花畑のハチを撮りました。構図などはあまり考えずにX-T1の毎秒8枚の連写でとにかく撮ったのですが、ハチが思ったところにきてくれてよかったです。連写のありがたみを感じました」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

KAZU「チルト液晶を使用して撮った一枚です。自分が下から見上げているような構図ですが、色々な角度から花を撮れるので非常に便利だと思いました。寝そべるわけにはいかなかったですからね。虫の目線のようで面白いと思います。X-T2では縦位置でもチルトが可能になっているので、もっと撮影の幅が広がるかもしれません」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

KAZU「フィルムシミュレーションやシャドウ・ハイライトなどの調整をしていると、カメラの中で現像しているような感覚で自分のしたい表現ができるんです。カメラ内で追い込めば、撮ったものをそのまま作品としてSNSに投稿できるレベルまで持っていくことができると思います。また、Xシリーズには写真を簡単にスマホに転送できる機能がついていますので、撮った写真をすぐにSNSにアップしたいときには便利な機能だと思います」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

塚崎「今回の東京カメラ部10選の展示に関しては、全て富士フイルムグループのプロラボ クリエイトさんにプリントをしていただいています。東京カメラ部の第一回目の展示のときに岡田さんにご相談をさせていただいていて、実はそのときからご支援をいただいているんです」

岡田「そうですね。クリエイトは、写真展などの高品質な作品を仕上げることを専門にやっているプロラボで、プロフォトグラファーを中心にご利用いただいています。私はデジタルカメラの担当ですが、撮った画像はプリントで見ていただきたいという思いがあります。自分の作品をプリントする機会は昔と比べると減ってきているのかと思いますが、プリントを見て初めて気付くこともあると思います。こういった写真展の中でご自身の作品をご覧になって、感動して帰っていただけたなら嬉しいですね」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

塚崎「お二人は実際にご自身の作品のプリントを見てどう感じられましたか?」

原「プリントは反射光で見るはずなのに、紙の奥から発光しているんじゃないかと思うくらい色鮮やかで、本当にびっくりしました。やはりフィルムで培った技術を持っている富士フイルムさんならではの品質ですね。誰かにプレゼントしてあげたくなるほどです」

KAZU「こんなにもきれいなプリントなんだ、というのが最初の印象でした。プリントと対面すると、液晶ではわからなかった作者の言いたいことや表現したいことが伝わってくるような気がしました。立体感や臨場感が出て、香りまでしてくるような印象を受けたので、自分の作品を見て自分でも驚きましたね。プリントはそれくらい重要なことなんだと、今回の写真展で学びました」

富士フイルム 東京カメラ部10選 原 朋士氏、和-KAZU-氏 × 富士フイルム 岡田昌幸氏、東京カメラ部運営「東京カメラ部10選が語るXシリーズの魅力」

岡田「最後になりますが、六本木にフジフイルムスクエアという場所がございまして、そこでは当日返却であれば無料でXシリーズの貸し出しをしています。気になるボディやレンズがあればぜひ試して見てください。また現在、“50,000人の写真展”の作品を募集しています。これはご応募いただいた方の作品を全て展示させていただくもので、全国35カ所で5万人分の写真を展示するという、日本でも最大級の写真展を開催しております。例えばお友達に見ていただくとか、ご実家のご両親に写真を見ていただくというような形でも楽しんでいただける写真展になっていますので、ぜひご参加いただければと思います」

塚崎「原さん、KAZUさん、岡田さん、本日はありがとうございました」

returnTop